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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第108回

今後のPCは?成長市場はどこ? レノボ2013年の戦略を聞く

2013年01月18日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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--Windows RTはx86系CPU向けの既存アプリケーションが使えないため、実用性の面で限られている、という評価はどう考えますか?

ホテンシャス「それは、あくまで『良い点』と『悪い点』のバランスの問題です。新しいプラットフォームにも利点はあります。今後は、それぞれがメリットに応じて求められていくだろう、とは考えています。しかし現状は明らかに、x86向けのアプリケーションに対する互換性のニーズは高く、Core iシリーズやAtomを使ったタブレットの方が求められている、というのは事実で、多くの人々がそちらを求めています」

既存アプリに対するニーズが高い現状では、レノボはThinkPadとIdeaTabの2ブランドで、Atom搭載タブレットをラインナップしている。左は「ThinkPad Tablet 2」、右は日本未発表の「IdeaTab Lynx」

--タッチという点では、今回のレノボでは「IdeaCentre Horizon」のような製品が目立ちます。こういった、大画面・タッチ対応の製品に、レノボとしてはどのような期待をもっているのでしょうか。どのような市場に売れると考えていますか?

CES 2013でレノボがある意味一番押していた製品が、この「テーブルPC」こと「IdeaCentre Horizon」

2012年に発売された27型の一体型PC「IdeaCentre A720」

ホテンシャス「ご存じのように、このジャンルはまだまだ始まったばかりの、少々特殊な市場です。我々は『IdeaCentre A720』を商品化していますが、IdeaCentre Horizonも似たようなところがある製品です」

「実はIdeaCentre A720は、すでに完売しているんですよ。作れるだけの分を製造し、売り切りました。どうやら人々はこの種の、タッチ機能をもった大型画面の製品を好むようです」

--大画面はニッチだ、という人もいますが?

ホテンシャス「その辺は結果で証明できていると思いますよ(笑)」

「もちろん、ある人は小さなスクリーンを求めるし、ある人は低価格なものを求める。大画面製品は安くないですからね。タッチであればさらに高い。とはいえ、我々はこのジャンルにニーズを見つけ出しました。ニッチな市場であっても、それがビジネスとして有効であれば、我々はそこに製品を提供します。テーブルPCのような事例は、その好例といえるでしょう。人と人との間で情報を共有する、家族での利用という用途を開発した製品です」

「我々はそれ以外にも、スマートフォンやタブレットなど、バラエティーに富んだ製品を提供しています。それぞれで独自の消費サイクルを作り、ニーズにあった製品を提供したい、と考えているのです。バラエティー豊かな製品群の提供が、我々にとっては大きな戦略です」

PCシェアを背景に
アジア市場でスマートデバイスを展開

--レノボのスマートフォンビジネスの状況について教えていただけますか? 日本からは状況が見えづらいのですが、レノボとしてはどのように評価していますか。

ホテンシャス「2年前にビジネスをスタートしましたが、急速に規模を拡大し、中国市場では2番目の存在になりました。現在、他の市場でのビジネスも始めようとしているところです。ロシアにインドネシア、ベトナム、フィリピンなどの新興国市場が中心です」

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