レノボに聞く 2012年のThinkPadとIdeaPad、Windows 8
2012年01月26日 12時00分更新
レノボはCESに参加するPC系メーカーの中でも、特に広範な商品を用意した企業といえる。他方で、2つの大きなブランド、そしてPCだけでない商品ジャンル(例えば日本未発売のスマートフォン)を抱え、全体でのプロダクトを捉えるのが難しくなりつつあるとも言える。各プロダクト、そして各地域での戦略をどのように見ているのだろうか? レノボでプロダクトグループの上級副社長を務めるピーター・ホテンシャス(Peter Hortensius)氏に、レノボが考える2012年のコンシューマー製品戦略について聞いた。
2012年のキーとなるプロダクトは「YOGA」
ホテンシャス「レノボはCESで、20のプロダクトを発表しました。ノートブックでもデスクトップでもさまざまな発表をしましたが、特に大きなものは、ThinkPadに関してUltrabookを発表したことでしょう(編注:本稿執筆時点では日本未発表。以下同)。また「ThinkPad X1 Hybrid」のような、新しい発想の製品を問うことができたのもポイントです。このマシンは、2つのプロセッサー、2つのOSを搭載した製品で、ノーマルなWindows環境と、スマートフォンのような長時間使えて低消費電力が求められる環境の双方を、1台で満足させられます」
――製品全体の中でのX1 Hybridのポジショニングは、どう考えていますか?
ホテンシャス「私たちのビジョンは、『(2つのOSを)スイッチしていることが見えない』という点にあります。例えばビデオを見ている時には、パワーが必要なわけではない。それがキーです。そういう時間に対してどのような体験を提供するのか? 重要なのは『ベストなバッテリーライフ』です。ですから我々の考えるX1 Hybridのポジションというのも、そういった価値が重要と考える人々に向けた製品、ということになるでしょう」
ホテンシャス「話をUltrabookに戻しましょう。CESのショーフロアには、たくさんのUltrabookがあふれています。我々も何台か製品化します。しかし、特に発表した中でも注目していただきたいのは、文字通り“キー”となるコアプロダクト。『YOGA』と名付けられた製品です」
――確かに、あれはとてもユニークで、興味深いものですね。
ホテンシャス「あれは、我々が向かうべき未来のひとつを示していると考えています。消費者は現在、3つのものを必要としています。よいノートブック、よいタブレット、そしてよいスマートフォンです。YOGAはそこで『形を変える』ことで、広い用途に対応できます。ノートブックの形で使えばいいノートブックになりますし、たたんでタブレットの形にすればいいタブレットになる。今あなたが使っているように、今後ノートブックを使わない、ということはないでしょう。ノートの方が作業上有利なことも多い。他方、リラックスしてタブレットを使いたい時もある」
ホテンシャス「結局我々は、3つのものを持ち歩くわけです。でもYOGAなら、そのうち2つをひとつにまとめられる(笑)。とてもいいノートブックにも、とてもいいタブレットにもなるわけですからね。こういったカテゴリーの新しい機器が支持を受けるだろうということについては、非常に楽観的な予測を持っています」

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