プロドライバーもエンターテイナー
ウケない芸を繰り返すのは許されない
──谷口選手はちょい濡れが得意のようですね。
安藝 そういう引き出しの多さが彼の武器なんです。番場選手には番場選手の武器があるので、うち(グッスマ)のスタッフに指導してるのと同じですが、状況は誰にとっても一緒だからアイデアと培った経験、そして足りない部分は人の力を借りて乗り越えてほしい。それこそ右京さんとか無線で繋がっているわけだし、チームのスタッフはドライバーをバックアップするためにいるんだから、なんでも聞けばいいんです。番場選手と佐々木選手は、クルマにも慣れたし、もう次の段階へ進む時期だと思いますね。右京さんと一緒に冷静なレース展開を考えていければと。
──予選後の生放送では、珍しく右京さんが厳しい意見を言っていましたね。
安藝 プロドライバーもある意味、表現者・エンターテイナーでもあるわけで、ウケないことを何回もやってはいけません。そういうところに関しては僕もかなり厳しいです。スベってるんだから、つまんない芸を何回もやるなと。やらかし芸はもう飽きた(笑)。プロとして次のネタを見せてほしいんです。クラッシュについては右京さんも相当キツイことを番場選手に言いましたが、いろんなレースを見てきてる右京さんがあえて表立って苦言を呈してくれることで救われる人もいるんですね。
うちのチームはこういう泥臭い部分もさらけだしていきます。楽しいこともあり、苦しいこともあるということを見ることで、自分の人生のように感じ取ってもらえればと。本を読むのと一緒ですよね。本ってその人(作者)の人生が詰まっている。その中でいろんな感じ方をして、自分なりのアウトプットを探してもらえればと。番場可哀想、谷口△みたいなことがすべてではなく、もちろんそれもいいんですけど、そうじゃない部分も感じてほしい。そういう見方もあるし、実はこういうことなんだけど、キミはどう思う? という感じのをやり取りをしたいし、そういう部分は忘れないようにしたいですね。
──なるほど、すべてをオープンにするのは、そういう思いもあったからなんですね。ASCII.jpでもあますことなく掲載させてもらいます!
自分も登場人物のつもりで楽しむGSR劇場
カッコイイところも、カッコ悪いところもすべてディスクローズする。それにはこんな深い思いがあった。安藝社長の言うとおり、自分のことのように一喜一憂できるのが、このチームの魅力だ。登場人物ひとりひとりに個性があり、そして成功、失敗、勝ち負け、挫折、下克上などのドラマがある。それはまさに人生のアナザーストーリー、ともすればチームと個人スポンサーが織りなす相思相愛の淡いラブストーリーのようですらある。
もはや、個人スポンサーを始めとするファンのみんなも、このGSR劇場の一員である。このストーリーを最後まで完成させるべく、今シーズンも最後までともに駆け抜けよう!
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