ネットワークの祭典「Interop Tokyo 2012」レポート 第2回
サイトサーベイやMDM搭載の無線LAN APも参考出展
イメージ通りの赤い防火壁、ヤマハブースに現る!
2012年06月14日 09時00分更新
Interop Tokyo 2012のSCSK/ヤマハブースでは、例のごとく「X-」というコード名の製品が参考出展されていた。今年は、ファイアウォールルーターと初出展の無線LAN AP。その他、中国への低遅延VPNソリューションやスイッチールーター連携デモなど盛りだくさんだ。
3倍速いわけではなくて……
赤い筐体に黒のブロック塀という前面ベゼル。ご丁寧に火のイラストまで描かれ、まさにわれわれの頭にあるイメージ通りのファイアウォール。ウォッチガードもびっくりのこんなベタなファイアウォールアプライアンスを展示していたのが、SCSK/ヤマハブースだ。参考出展とはいえ、青と黒の筐体が多い手堅いヤマハ製品とは思えない大胆さといえる。
X12の名称で参考出展されたこのアプライアンスは、同社のファイアウォールルーター「SRT100」の後継機種にあたるもの。2007年に発売されたSRT100はスモールビジネス向けのファイアウォールルーターとして人気を博しているが、X12ではギガビット対応やセッション数の増大などのほか、昨年投入したスイッチ連携の機能まで盛り込む予定だという。
筐体が赤いのは、SRT100より3倍速いというわけではなく、見た目でファイアウォールと理解してもらいたいからだという。従来のSRT100と同じく、製品自体はルーターにファイアウォールを載せたシンプルなもので、Webフィルタリングやアンチウイルスなどは他社製品と連携していくという方向性。UTM(Unified Threat Management)や次世代ファイアウォールなど、理解しにくいマーケティング用語に左右されないシンプルな製品という主張が背後にあるようだ。
サイトサーベイもMDMも搭載した無線LAN AP
もう1つの目玉は、無線LAN APの「X11」だ。見た目はオフホワイトのシンプルな筐体だが、後発ということで、製品の差別化には配慮されている。
まずはサイトサーベイの機能を搭載している点。X11では、あたりの無線LAN APをスキャンし、利用しているチャネルと使用率、CRCエラーなどをグラフ化する。これにより、同一チャネルの利用状況やコリジョン発生率などが見える化される。Interopの会場は、電波的に非常に混雑しているため、グラフでは25%という強烈なコリジョン発生率が表示されていた。
さらにすごいのは、こうした値に対してしきい値を設け、そのログを保存するという機能があることだ。パフォーマンス劣化や障害時の状態を復元できるタイムシフトのような機能で、過去にさかのぼってトラブルシューティングできる点は、きわめて有効といえる。その他、無線LAN APでは接続する端末を管理するMDM(Mobile Device Management)機能も搭載するとのことで、期待したいところだ。
その他、SCSKブースでは中国電信とのコラボレーションにより、日中間の通信遅延を削減するマネージドサービスが披露されていた。国内にある中国電信のPOPを経由して中国にインターネットVPNを張るため、遅延を大幅に抑えることができるというもの。デモでは平均で180ms程度の遅延が、50ms程度に収められており、ビデオ会議もスムースに利用できていた。ヤマハルーターや監視サービスとパッケージ化されており、確実な拠点間接続が可能にあるという。日中間の通信で難を抱えている中小・SMBのユーザーは、ちょっとのぞいてみると良いだろう。
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