ネットワークの祭典「Interop Tokyo 2012」レポート 第1回
NTTグループの「OpenFlowコミット」で日本市場は大きく変わる?
今回のInteropはOpenFlow祭りということでいいですよね
2012年06月14日 06時00分更新
6月13日、ネットワークの総合イベント「Interop Tokyo 2012」の展示会がスタートした。IPv6や40/100GbE、スマホ対応、ファブリックなどを抑えて、今年のテーマとなったのはOpenFlowだ。各社のブースを見ていこう。
OpenFlowはクラウド時代のSS7か?
今年のInteropのテーマは、ずばりOpenFlowだ。展示会場でも、OpenFlow ShowCase 展示&デモンストレーションが用意されている。
グローバルで見ても、日本でのOpenFlowへの関心はきわめて高く、昨年はブロケードCEOをして「日本はOpenFlowクレイジーだ!」と言わしめたほど。しかし、昨年のInteropでほぼ影も形もなかったOpenFlowが、ここまで大きくなると想像した人はあまり多くなかったのではないだろうか?
特にOpenFlowへの傾注が激しいのは、国内最大手の通信事業者であるNTTグループだ。NTTの研究所がかなり早い段階からOpenFlowの実証試験を行なっていたのはご存じの通り。6月に入り、この研究所の実証実験を受け、NTT自体がICT環境をクラウド上に載せるための技術としてOpenFlowを採用することを発表。先週は、NTTデータはコントローラーの新版を投入し、OpenFlowビジネスを本格化させるとし、今週にはNTTコミュニケーションズがOpenFlowを全面導入したエンタープライズ向けのクラウドサービスを投入した。もはやグループ全体でOpenFlowを積極展開していると言って問題ない。
余談だが、NTTグループやNECがここまでコミットするのは、OpenFlowが交換機のアーキテクチャーに似通っているからではないかと思ってしまう。アーキテクチャがコントローラーから制御を行なう中央集権型で、制御と転送で異なるパスを用いるのも両者共通しているからだ。こう考えると、OpenFlowはクラウド時代のSS7候補なのかもしれない。
オープン対プロプラエタリーの対決構図か?
Showcaseにおいては、NEC、ブロケード、IBM、HP、NTTデータ、ジュニパー、Pica8などがOpenFlowのデモンストレーションが披露された。マルチベンダーでの仮想プライベートネットワーク構築やホップバイホップやオーバーレイなどの違い、OpenStackを用いたクラウドとOpenFlowの連携などが披露されている。
会場ではいち早くコントローラーを商品化したNECや、コントローラーやオーバーレイ技術に依存しないOpenFlow対応を打ち出しているブロケード、OpenFlowへの対応を進めつつあるジュニパーやHPなどがデモや展示を行なっている。特にNECとも提携しているブロケードは、国内でのOpenFlowクレイジーにきちんと追従すべく、着実に対応強化を進めているようだ。こうなると事例が待ち遠しい。
一方で、OpenFlowに隠れた感があるのが、仮想マシン対応やSTPフリー、VLANフリーを実現するデータセンターファブリックである。シスコはFabricPath、ジュニパーはQFabric、ブロケードはEthernet Fabricなどを展開しており、ある意味OpenFlowと連携することで有効に働く技術もあるのだが、OpenFlowのライバル的な存在として捉えられてしまった感もあるようだ。
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