
本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。
UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。
WWDC基調講演がすべてではない
WWDC 2012が開幕、基調講演では「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」など新製品を立て続けに発表。「OS X Mountain Lion」のリリース時期も7月と明言されるなど、Macユーザーにとってはまさに「年に1度のお祭り」となった。「iOS 6」の詳細も明かされ、いよいよ「iPhone 5今秋発売説」が信憑性を帯びてきたところだ。
しかし、基調講演ばかりが新製品・新機能の発表の場ではない。芝居がスポットライトを浴びる役者だけのものではなく、舞台の袖で気をもむ演出家のものでもあるように、言及されなかったハード/ソフトにも見るべき変更点は多いのだ。
12コアモデルも用意のデスクトップ「Mac Pro」
たとえば、デスクトップカテゴリーでのフラッグシップ機「Mac Pro」。2010年夏モデルを最後に特段の動きはなかったが、WWDCにタイミングを合わせてモデルチェンジが実施された。新しいMac Proは、12コアモデルはIntel Xeon 2.4GHzプロセッサー(6コア)を2基搭載、BTOを使えば2.66GHzまたは3.06GHzに拡張可能だという。GPUは2010年夏モデルのまま、チップセットの関係かThunderbolt/USB 3.0非搭載とはさみしすぎるが、クックCEOが新Mac Proの2013年リリースを明言という報道もあったことから、将来を悲観する必要はなさそうだ。
デザイン一新、さらに機能が充実した「AirMac Express」
同じく言及されなかった「AirMac Express」もアップデート。2.4GHzと5GHz両方の周波数帯で通信可能になった(同時デュアルバンド)ことを除けば、機能的には旧モデルと大きく変わらないが、筐体デザインが「大ぶりなMagsafeアダプター」から「白い第2世代Apple TV」へと一新されている。AirPlayの音声出力をサポート(従来はAirTunes)、ゲストに対しインターネットアクセスを提供するゲストネットワーク機能の追加など、機能強化も見られる。しかも、価格は据え置きの8400円。WWDCの基調講演で披露するには小さいトピックかもしれないが、大きな改良であることは確かだ。

この連載の記事
-
第187回
iPhone
NFCの世界を一変させる!? iOS 11「Core NFC」の提供開始が意味するもの -
第186回
iPhone
Appleと「4K HDR」 - iOS 11で写真/動画を変える「HEIF」と「HEVC」 -
第185回
iPhone
iPhone 7搭載の「A10 Fusion」「W1」は何を変えるか -
第184回
iPhone
オープンソース化された「PowerShell」をMacで使う -
第183回
iPhone
アップル製デバイス連携の鍵、「Continuity」とは? -
第182回
iPhone
DCI-P3準拠へと歩むiPhone/iPad - WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(2) -
第181回
iPhone
WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(1) -
第180回
iPhone
WWDC直前、買い替え前にマイMacのココをチェック -
第179回
iPhone
私がiTunesを使わなくなった5つの理由 -
第178回
iPhone
今あえてiPhone「Live Photos」を知る -
第177回
iPhone
「Windows Subsystem for Linux」はOS Xのライバルとなるか? - この連載の一覧へ