各種ソフトウェアのバージョンはどうなるの?
編集I:今回もいろいろなソフトウェアが更新されるんですよね?
あわしろいくや:されますな。Firefox 11とかLibreOffice 3.5.2とか。
さかもっちー:Firefoxは他のUbuntuでも一緒だからそんなに大きな違いじゃない気がするぐにゅぅ。
ミズノ:Firefox以外の各種アプリが最新なのはわりとうれしいんじゃないかなぁ。
hito:ベースになってるGNOMEが3.4になってることとか、カーネルが3.2なこととか色々細かく変わりますね。
ミズノ:カーネルが3.2になっていろいろうれしいことは増えるんですかね?
やまね:BtrFSがそれなりに安定して使えるようになる?
hito:安定してると言えるのだろうか……。今でも結構いろんなトラブルがありますし、性能がちゃんと出てないのが問題な感じです。
やまね:厳しいよねぇ。
hito:むしろXFSが安心して使えるようになることの方が大きいかなぁ。
ミズノ:ファイルシステムであることとか、なんかやたら大容量なものを扱えることは知ってるんだけど、「安心して」って何です?
hito:XFSって、わりとメモリ食うんですよ。で、システム内のメモリがなくなってきたりするとですね……。Linux全般でどんな挙動になるでしょう、そこのやまねさん。
やまね:キャッシュやバッファを始末するために、メモリ上に貯めてるものを「追い出す」動作がかかるね。
hito:で、その「追い出す」先がXFSだったりするわけですね。
ミズノ:なにか嫌な予感。
hito:そうすると何が起こるかっつーと、「メモリが足りない→XFS領域にデータを書きだそうとする→XFSがメモリを要求する」という……。
あわしろいくや:メモリが足りない状態から抜け出すには、さらにメモリが必要、という展開ですな。
瀬尾浩史:ペン?
ミズノ:金庫の鍵が金庫の中に入ってる系の展開ですね! って笑えない。ヘビーな負荷かけるとそんなことが起きるわけですね。
hito:で、そういう挙動はダメだよねーっていう修正がやっと入った。6~7年ぐらいかかってると思う。まあXFSにはもっと前にスタック使い尽くす問題とかもあったんで、やっとこさヘビーな使い方ができるかなーという感じ。
小林:XFSを使うと幸せになれるケースって、どういう場合でしょう?
hito:ext4でたいてい用が済むのであんまり無い気はしますが、そこなストレージゴッド様のような大容量HDD使いはXFSでもいいかもしれません。manを見て、フォーマット時のオプションでAG多めにしてくださいね。で、AGって何? というレベルだと近づかない方がいいかもしんない高等黒魔術。
編集I:それ以外はどんな感じでしょう?
さかもっちー:ALSAのJack Detectionとかが増えますぐにゅぅ。でも役に立つユーザランドはまだまだ先ぐにゅぅ。
hito:超古代からの宿題として、Poulsboのオープンソースドライバがやっと実用になるかなーならないかなーというあたりかな……。
ミズノ:ふつーのユーザーにはあんまり関係なさそうですよねぇ……。
編集I:そういえば、今回は起動速度とかどうなんでしょう?
ミズノ:今回は10.04と同程度の起動速度っていうのが目標になってますね……。
hito:実際速くなってるような気はするんですが、ハードウェアの進歩のおかげって部分もあってよく分かりません。10秒ぐらいで起動するとあんまり変わらないしなぁ。
小林:SSDだとたいていそれぐらいで起動できますね。11.10よりは12.04の方が速いような気がします。

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