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累計販売台数100万台突破のシャープ製ウォーターオーブン

水で焼く? 水蒸気で焦げ色が? ヘルシオの謎に迫ってみた

2012年03月12日 11時00分更新

文● 石井英男

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ヘルシオの「過熱水蒸気」発生メカニズム

Q4:過熱水蒸気はどうやって作り出すの?

A4:2つのエンジンで水を加熱している!

水を加熱して水蒸気に変える最初のエンジン

 ヘルシオの開発で一番苦労したのは、家庭用の100V電源でいかに効率良く過熱水蒸気を作り出すかということだった。その結果誕生したのが、シャープ独自のウォーターヒート技術であり、これまでにヘルシオ全体で438件もの特許を出願したという(2011年7月12日現在)。

 過熱水蒸気の作成方法だが、ヘルシオには2つのエンジンが搭載されており、2段階の加熱によって水から過熱水蒸気を作り出している。

 まず、タンクからの水が最初のエンジンに入り、ヒーターによって加熱され水蒸気となる。次に、その水蒸気がパイプを通って、SHエンジンと呼ばれる2つめのエンジンに入り、さらに加熱されて過熱水蒸気となるのだ。

 こうして作られた過熱水蒸気は、シロッコファンによって庫内に勢いよく送り込まれ、食品を加熱する。

上部に装着されている金属製のパーツこそ、水蒸気をさらに加熱して300℃を超える過熱水蒸気を作り出す2つめのエンジンだ


Q5:過熱水蒸気での調理の利点って何?

A5:脂と塩分を落とし、栄養素の破壊を防ぐ!

 過熱水蒸気による調理には、オーブンレンジや電子レンジにはないメリットがいくつもある。1つめのメリットは、食品の中心部まで一気に熱を伝えられるため、内部に含まれる余分な脂を溶かし落とすことで、カロリーを抑えてくれるというものだ。

 しかも、から揚げでも油を一切必要とせず、鶏自体の脂だけで揚げることができるため、使用済み油の面倒な処理も必要ない。天ぷら鍋で調理した手羽元の唐揚げのカロリーは1人分266kcalだが、ヘルシオで調理すると224kcalになり、差し引き42kcalもカロリーがダウンする。

ヘルシオで鶏のから揚げを調理したところ。受け皿に鶏の脂が落ちていることがわかる

 2つめのメリットは、過熱水蒸気が食品に触れることで食品中の塩分を吸い出し、ほどよく落としてくれることだ。高血圧などで塩分を控えたい人には特にありがたい。また、従来の調理法に比べて加熱時の細胞破壊が少ないため、食材本来の旨み成分の流出を抑え、素材のおいしさを最大限に味わうことができる。筆者も実際にヘルシオで調理した野菜を食べてみたが、味が非常に濃いことに驚かされた。

 さらに、過熱水蒸気での調理中は、庫内が過熱水蒸気で満たされ、空気が追い出されるため、庫内の酸素量が激減。酸化に弱いビタミンCなどの栄養素が壊れることを防ぐというメリットもある。

 加えてヘルシオには、水蒸気の温度を細かく制御することで70~95℃の蒸気(湯気)を使ってじっくりと食品を蒸す「ソフト蒸し」機能も備わっている。これによって、疲労回復に効果があり、鶏胸肉などに含まれるイミダゾールジペプチドの流出を防ぐことができる。

ヘルシオで調理したブロッコリーとアスパラガス。色も鮮やかでみずみずしい。同時にウィンナーやうずらの卵も調理できる。電子レンジのように卵が破裂する心配もない

 このように、ヘルシオの過熱水蒸気調理は、食品のおいしさを最大限に引き出し、健康にもよいという、まさに理想的な調理法といえるだろう。

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