NTTドコモから、11月24日に次世代通信サービス「Xi」(クロッシィ)に対応したスマートフォンの第1弾「docomo NEXT series GALAXY S II LTE」が発売された。12月以降にはそれに続いて、「Optimus LTE」「ARROWS X LTE」「MEDIAS LTE」の3製品も登場予定だ。
ASCII.jp読者であれば、Xiについて“高速な無線通信規格?” というくらいの理解がある人も多いだろう。しかし、Xiがどのようなもので、どんな場所で使えて、どれくらいの料金がかかるのか――など、詳しい情報はよくわかっていないのではないだろうか?
そこで本記事では、Xi対応スマートフォンを購入するうえで知っておきたい情報や、ASCII.jp的にどうしてXi対応スマートフォンがオススメなのか、その理由について15の疑問を回答する形で解説していこう。
Xiについての基礎知識
そもそもXiってどんなものなの?
Q1 そもそもXiって何なの?
A1 次世代通信規格「LTE」を用いた、ドコモのサービス。
LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる通信規格を用いる、ドコモによる通信サービスの名称。「Xi」(クロッシィ)と読む。
LTEは国際標準化団体の3GPPで策定され、2010年12月にXiをスタートしたドコモを始め、アメリカや韓国、ヨーロッパ各国でも、すでにサービスが提供されている。
Xiでは、ドコモが3G(W-CDMA)で提供している「FOMAハイスピード」と比べて、さらに高速化された通信速度を実現するほか、データ伝送時の遅延も小さくなり、PCやスマートフォンでインターネットを利用する際にレスポンスが速くなることが期待できる。
具体的なXiの通信速度は下り最大37.5Mbps/上り最大12.5Mbpsである。また“一部の屋内”では下り75Mbpsである(※1)。
サービス開始当初は、データ通信専用機種のみだったが、Xi対応タブレットに続いて、11月24日には初のXi対応スマートフォンが登場した。より詳しくははドコモのサイトの「Xi」ページで確認してほしい。
※1:受信時最大75Mbpsに対応しているのは、Xiエリアの一部屋内施設に限られます。対応施設の詳細については、ドコモのホームページ(http://www.nttdocomo.co.jp/support/area/index.html)でご確認ください。屋外エリアでは受信時最大37.5Mbps、送信時最大12.5Mbpsとなります。通信速度は、送受信時の技術規格上の最大値であり、実際の通信速度を示すものではありません。ベストエフォート方式による提供となり、実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します。
Q2 Xiのサービスエリアは? エリア外では使えないの?
A2 東京・大阪・名古屋などの主要都市を中心に、全国の県庁所在地にも拡大中。Xiエリア外でもFOMAエリアで利用可能(※2)(※3)。
Xiのサービスエリアはドコモのサイトに詳しく掲載されているが、現時点では東名阪の都市部や県庁所在地などが中心である。2011年度末時点の人口カバー率は約25%の予定だ(※4)。
ただし、Xi対応機種は3GによるFOMAエリアでの通信にも対応している。またXiとFOMAの切り替えは自動的に行なわれ、Xiのエリア外ではFOMAに、その後Xiのエリア内に入ると再びXiで接続する。つまり、ドコモのXi対応スマートフォンであれば、Xiによる超高速通信と、全国で広いサービスエリアを持つFOMAの双方のメリットを享受できることになる。
さらに後述のQ5でも紹介している、Xi対応スマートフォン4機種のうち、「GALAXY S II LTE」「Optimus LTE」「MEDIAS LTE」の3機種は下り最大14MbpsのFOMAハイスピードに対応しているため(「ARROWS X LTE」は下り最大7.2Mbps)、XiエリアでもFOMAエリアでも従来のスマートフォンなどと比べて、通信速度が高速である。
※2:FOMAのエリアではFOMAハイスピード(受信時最大14Mbps、送信時最大5.7Mbps)の高速通信をご利用いただけます。
※3:サービスエリア内でも、下記の場所ではご利用できない場合があります。(1)トンネルや地下など電波のとどかないところ。(2)ビル・マンションなどの高層階。(3)天候により電波の受信状況が変化しやすい海上。
※4:人口カバー率は市町村の役場が所在する地点における通信が可能か否かを基に算出しています。
Q3 サービスエリアは今後どうなる?
A3 2012年度末には人口カバー率で約60%、2013年度末には約80%、2014年度末には約98%を予定。
上記の目標は、ドコモが11月に発表した「中期ビジョン2015 ~スマートライフの実現に向けて~」と名づけられた中期戦略で紹介されている。
また現在LTEに用いられている2GHz帯の電波に加えて、今後1.5GHz帯も合わせて利用することで、通信速度を下り最大100Mbpsに拡大する。下り最大100Mbpsの全国対応は2014年度になる予定とのことだ。
Q4 Xiは実際には速度はどのくらい出るものなの?
A4 電波状況次第だが、編集部でテストした範囲では6~12Mbps程度の高速さを確認。
スペック上は前述したとおり、下り最大37.5Mbps。通信速度については、電波状況に左右される部分が大きいが、Xi対応スマートフォンの実機でテストした結果では、下り10Mbps強のスピードを確認した。静止状態であれば約6~12Mbps程度は平均的に出ていた。
実際にこのスピードを体験してみると、3G時代とは大きな差を感じる。たとえば、Xiでの接続時にASCII.jpのトップページを読み込んだ際に要した時間は、目測でおおよそ5~6秒程度。ちなみにFOMAで接続している場合は約9~13秒、無線LAN(インターネット回線はFTTH)でも約4~5秒だった。