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行っとけ! Ubuntu道場! 第50回

~師範、Ubuntuのカーネルについて教えてください!~

2011年11月17日 15時00分更新

文● hito(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

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カーネルの種類がたくさんありますが……?

編集S:で、なんかUbuntuのカーネル、たくさんあってよく分からないのだ。

あわしろいくや:その「たくさん」は、genericとかserverとかpaeとか、そういったものですな?

さかもっちー:lowlatencyも忘れないでほしいぐにゅぅ。

編集S:さらになんか、kernelパッケージとして見るとたくさん出てくるのだ。それぞれワケわかんないので説明求む。まずgenericとかserverとかの方から。

hito:えーと、それを話す前にまず、「Linuxカーネルにはコンフィグオプションがたくさんあります」という話からするべきかも。

編集S:ほほう。

小林:kernel.org(Kenrelの開発元)からLinuxカーネルをダウンロードしてきて実際にビルドすると、ものすごくたくさんオプションがありますね。

あわしろいくや:ありますなぁ。あまりにも数が多すぎて、ちゃんと設定するのはかなり難しいかもしれません。

ミズノ:ドライバの有効・無効や動作方式の決定、使えるファイルシステムの切り替えなんかですね。要・不要を判別して適切に設定するのは相当大変ですね。

編集I:人によって、必要とするドライバは違ってきますよね?

hito:なので、Linuxディストリビューションで準備するカーネルは「なるべく汎用性の高い設定」にしてます。ということで名付けられたのが、「generic」フレーバー。

編集S:フレーバー?

やまね:カーネルに追加されるパッチやコンパイルオプションをひとまとめにしたものを「フレーバー」(Flavour)って呼びますね。ここではコンパイルオプションの方の「フレーバー」。

さかもっちー:アイスの「フレーバー」と同じ考え方ですね。

hito:パッチセットでも「フレーバー」っていう単語は使っていて、Ubuntuなら「Ubuntuフレーバー」という呼び方になります。ちなみに、kernel.orgから落としてきた「そのままの基本のもの」はVanillaとか呼ばれることもあります。

編集S:そーかー、基本はバニラなのかー。

あわしろいくや:バニラプリンよりチョコプリンが好きです。

編集I:ここは好きなプリンのフレーバーを答える場所ではありません。

瀬尾浩史:編集Iさんが全力でツッコミモードに入ってるペン。

hito:で、サーバー向けの味……じゃない、設定にして、必要なドライバなんかも有効にしたのが「server」フレーバー、という。

やまね:何が違うの?

hito:端的には、割り込み頻度とか。genericは250HZ、serverは100HZと、サーバー向けの方が性能重視の設定となっております。……っていうと語弊があるんで、「genericは応答速度、サーバーはスループット」という表現で分かる人には分かるだろうし、これで分かんなければたぶん知らなくていいっすとか思った。

あわしろいくや: ← いっぱんじんなのに分かってしまった。

hito:あと、serverものは32bitでもPAEが無条件で有効になってる、というのはポイントかなぁ。

編集S:なんかよく分かんないけど、限界まで突き詰めるときに「serverでデスクトップ用途」「genericでサーバー用途」は止めた方がいいらしいことだけ理解した。

ミズノ:どうかなー、そこまで突き詰めて性能特性が要求されることはないんじゃないかなー。

編集S:そうなの?

hito:ないんじゃないかなー。そこを追求する前に、他にやらないといけないことが超たくさんある気がする……。ネットワークボトルネックとかI/Oボトルネックとかを解消していく上で、念のため出てくるとか、そんな感じかなぁ。

編集S:よし、難しいから気にしないことにしよう。

ミズノ:あーあと、genericがデスクトップ向けっていうのは分かりにくいよね、ということで、12.04では「desktop」に改名されるかもしれません。あと全部PAEになるかもなんだっけ。

hito:どっちも議論中ですねぇ。あと、genericとserver統合して、起動後にいろいろ設定してあげればいいじゃんみたいな話もありますが、どこへ行くのかはまだ分かりません。あ、全部PAE有効にすると、ちょっと古いCPUだと起動できなくなったりするかもなので色々と微妙な感じです。

編集S:で、PAEって何なのだ。

あわしろいくや:32bit CPUでも4GBを超えたメモリを扱える仕組み、って思っておけばいいと思います。

hito:厳密にはBIOSのサポートがないと4GB超えが上手くいかないとか色々あるんですが、まあ、ふつーに8GBとかメモリ積むような環境なら何も考えなくても8GB見えるかなぁ。DDR3メモリ使ってるマシンなら多分大丈夫。

ミズノ:あと「virtual」とかもあるけど、あれは「Amazon EC2やUECで使う、特殊な仮想環境用」だと思っておけばOK。

あわしろいくや:VMwareやVirtualBoxでは使わない、っていうのが重要ですな。

さかもっちー:lowlatency忘れないでほしいぐにゅぅ……。応答性に特化したカーネルぐにゅぅ……。


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