APS-Cサイズの撮像素子を採用する人気のミラーレス機であるソニー「NEX」。その最新モデルであり、最上位機種となる「NEX-7」がまもなく登場する……はずだった。
当初は11月11日に発売予定だったが、タイの洪水による影響で発売延期になり、原稿執筆時点での発売日は未定になっている。とはいえ、いち早く試作機に触る機会を得られたので機能面を中心にレビューをお届けしよう(画質については最終仕様ではないため今回は触れていない)。
2つのダイヤルとEVFが目立つ「NEX-7」の外観
NEX-7はEマウントを採用するNEXシリーズ5台目の製品で、ボディのみの予想実売価格は約13万円前後、標準ズーム付きのレンズキットが約14万5000円前後になる見込みだ。
本体カラーはブラックのみで、ほかのNEXシリーズのようにカラーバリエーションは用意しない。レンズキットに付属する標準ズーム「18-55mm」は従来品と同じだが、NEX-7の色に合わせてブラックカラーとなっており、このカラー単体の発売は予定されていない。
本体サイズは幅119.9×奥行き42.6×高さ66.9mm、重量はメディアとバッテリー込みで約350gとなっている。下位機種にあたる「NEX-5n」よりもわずかに大きいが普通のデジタル一眼レフカメラに比べれば小さいし、ほかのミラーレス機に比べてもそれほど大きいわけではなく、十分に小さいといえる。
グリップ形状や本体のデザインはNEX-5に近いが、全体的な雰囲気としては今まで以上に平面的なデザインになっている。目立つのはグリップ側の上に配置された2つのダイヤル(コントロールダイヤルRとコントロールダイヤルL)と、本体上面のアクセサリーシュー、電子ビューファインダー(EVF)といったあたりだろう。
特にダイヤルはかなりの存在感だ。この2つのダイヤル以外に、背面にもう1つダイヤル(コントロールホイール)があり、計3つのダイヤルを操作する。カメラの機能においてパラメーター変更を行なえるダイヤルが3つ備わっているのはかなり珍しい部類だろう。
基本的にはシャッタースピードと絞り値に相当するダイヤルがあれば事足りるわけで、例えば「シャッタースピード優先オート」や「絞り優先オート」時は、シャッタースピードや絞り値を変更するダイヤルと露出補正するダイヤルの2つがあればいい。
プログラムオートでもシャッタースピードと絞り値の組み合わせを変えるシフト機能と露出補正の2つがあれば十分だ。
しかし、銀塩カメラと違いデジカメならば感度やホワイトバランスなども撮影中に自由に変更可能だ。
例えば、被写界深度の都合で絞りの選択肢がない上、被写体をわざとブレさせて撮りたいのでシャッタースピードを変えられない、といったシャッタースピードと絞りの両方を確実に決めて撮影したい場合、明るさの調整はISO感度で行なうことになる。
このような場合にはダイヤルの1つにISO感度を割り当てられれば汎用性は高くなるだろう。上記の例は極端だが、ISO感度やホワイトバランスなど、素早く変更できる機能が備わるのは喜ばしいことだ。