素朴さを感じる、落ち着いた外観
HP 8200 Elite All-in-Oneは派手さを強調する個人向けパソコンとは異なり、黒を基調としたシンプルなデザインとなっている。液晶サイズが23型と大きいので存在感はあるが、オフィスにはもちろんプライベートルームにも馴染む落ち着きがある。ベゼルにもムダな装飾が無く、集中力を要する作業の際の邪魔にもならない点もいい。
スタンドの部分はしっかりとした作りだ。筆者がこれまでに使ったセパレート型のデスクトップだと、液晶ディスプレーが軽く、イライラすることがあった。強めにタイピングしたときの振動を拾って画面が揺れてしまうためだ。
その点、HP 8200 Elite All-in-Oneはどんなに強くタイピングしても揺れない。「一体型で安定した重量だから」という理由もあるが、ハードディスクなどの比較的重いパーツが本体の下部に配置さていることも大きいだろう。意図して設計されたものかどうかはわからないが、結果的に長時間作業してもストレスがたまらない点は個人的には高く評価したいポイントだ。
液晶の解像度はフルHD(1920×1080ドット)。公式のスペックでは液晶方式の表示はないが、上下左右からのぞいた際の色の変化からTN液晶と思われる。ただし正面から液晶を見た場合の中央と画面端の色ムラはほとんど感じられなかったので、仕事中心の利用であれば満足できるのではないだろうか。
本体とは少し離れるが、ACアダプタの大きさは若干気になった。普段からノートパソコンの小型のサイズに慣れていると、いくらデスクトップとはいえ大きく感じてしまう。できれば電源は本体に内蔵してほしかった。
ウェブカメラを使った顔認証は中々の精度
「HP 8200 Elite All-in-Oneの液晶上部にはウェブカメラが内蔵されている。主にはビデオ会議などでの利用を想定して付けられた物だが、本機ではセキュリティーを高めるためにも一役買っている。
2回目以降の起動時には「HP ProtectTools」の設定が促される。HP ProtectToolsはパソコンをロックするパスワードの設定や、HDDの暗号化、ファイルのシュレッダーといったセキュリティー関連の機能を提供するオリジナルソフトだ。
ビジネスシーンでもっとも多く利用されるパソコンのロックでは、一般的なパスワード認証のほかに、ウェブカメラを用いた顔認証が選べる。これが思った以上に便利だった。
顔認証は枠内に顔をいれる動作が面倒だったり、表情によってログインできなかったりすることもある。読者の中には、すぐに使い始められないイライラから次第と使わなくなるといった経験のある方もいることだろう。
その点、本機の顔認証は速い。顔の認識スピードやユーザーの特定などが高速に処理される。顔の特定にかかる時間は2秒程度なので、キーボードへ手を伸ばしてパスワードを入力しようとしているうちに認識が済んでしまう。
顔認証はウェブサイトなどのマスターパスワードにも設定できる。繰り返しになるが、認証スピードが早いので、毎回顔認証をするようなやみくもに高くセキュリティレベルに設定しても、使い勝手が悪いと感じるとはなかった。セキュリティーレベルを上げると、その分手間が増えて使いにくくなるという常識があるなか、本機はそのバランスが優秀だと感じた。
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