スタートダッシュは3リッター車クラス
エレクトリック・ラグジュアリー! 未来すぎる日産リーフをドライブ
2011年10月20日 12時00分更新
さて走りを見てもらったあとは、運転席周りを見てみよう。まずはエンジンスタートならぬ、モータースタートの手順を紹介しよう。
エンジンと違い「クラッチが切れた状態でアイドリングする」ということがないので、エンジンスタートというよりは電源を入れる感じだ。最近の車では、ボタンを押すとセルモーターが回り自動的にエンジンがかかるものが多くあるので、さほど違和感はないだろう。
若干、違和感を覚えるのはシフトレバーとサイドブレーキだ。R(バック)やD(ドライブ)レンジに入れる感覚は、従来車とまったく変わらないが、P(パーキング)レンジは、ノブ上の「P」ボタンを押すようになってる。これにはなかなか慣れず、駐車を終えるとノブを前側に倒してPレンジに入れようとして「ピーピー」とバックレンジに入れてしまうことが多々あった。しかし、これも慣れれば自然に操作できるだろう。
またサイドブレーキは昔ながらのワイヤーを引っ張る方式ではなく、スイッチとなっている。レバーを上に上げるとモーターがサイドブレーキをかけるようになっているのだ。サイドブレーキのリリースは、フットブレーキを踏んでサイドブレーキスイッチを押し下げると、モーターが逆回転して0.5秒ほどでリリースできる。
長い信号待ちなどでNレンジに入れてサイドブレーキをかけていると、気づいたら青信号に変わっていた! なんて場合は、フットブレーキを踏んでサイドブレーキをリリース、Dレンジに入れて走り出すので、若干発進の手間取り感はある。とはいえ、後続車からクラクションを「ビッ!」と鳴らされるほどのタイムラグはなかった。
サスペンションなどを含めた乗り心地は、ラグジュリアリー車と同じ。硬くもなく柔らかくもなく、街乗りから高速クルージングまで極めてオールマイティーな走りが楽しめるだろう。
EV独特のシステム「ECO」モードとは?
シフトレバーには、EV独特の「ECO」レンジも用意されている。Dレンジに入れた上で、もう一回手前のDレンジにノブを入れると、ECOレンジに切り替わる。このモードは、アクセルを踏み込んでもモーターに流れる電流を制限するので、加速はだるくなるが電池の減りを極力抑えられるというものだ。さらにアクセルを離すと、Dレンジよりも回生ブレーキの効きがよくなり、積極的に発電して電力を回収し、航続距離を長くする。長い下り坂では、ローレンジのエンジンブレーキ代わりに使って、積極的に電池をチャージするという使い方もできる。
ECOレンジの加速感は、オートマ車でアクセルを1~2割程度踏み込んだ感じ。マニュアル車だと2速発進で、2000rpmも回さずにポンポンとハイギアに入れたような感じと言えば伝わるかな? なので信号待ちからECOレンジで加速すると、隣のレーンの車数台が先に言ってしまい、後続車が気が短いドライバーだとレーンチェンジして追い越していく感じだ。
車の流れを阻害しないように運転するなら、まずDレンジで加速して定速走行に入ったらECOレンジに入れるといいだろう。大都市近郊の信号が多いところでは、あまり使わないかもしれないが、信号間隔が長い郊外の道では利用頻度が高いだろう。さらにECOレンジでは回生ブレーキがDレンジよりも強くかかるので、ガソリン車のように急にアクセルから足を離すと急激に減速してしまうという注意点がある。
回生ブレーキ中は、ブレーキランプが点灯しないので、徐々にアクセルを緩めていかないと、後続車は急に車間が縮まってビックリするかもしれない。そういう点では、ガソリン車より緻密なアクセル操作が求められると言っていい。
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