スタートダッシュは3リッター車クラス
エレクトリック・ラグジュアリー! 未来すぎる日産リーフをドライブ
2011年10月20日 12時00分更新
加速度センサーでガソリン車とパワー比較
自動車雑誌のレビューを読むと「馬に蹴られたような加速」やら「じわじわとシートに押し付けられる加速」なーんて、文学的な表現が踊っている。馬に蹴られたことのない読者(俺含む)でも、だいたいの想像がつくように、加速度センサーを取り付けて加速性能をグラフにしてみた。
今回テストをしたのは、とある私有地。アクセルベタ踏みの本来のパワーを調べることも可能だが、あまり広くない場所でのテストなので、メーカー発表値などに比べるとかなり小さな値ということをご了承いただきたい。
テスト時の運転感覚としては、とにかく急いで目的地に向かっているときで、信号が赤から青に変わったらアクセルを一気に5割程度まで踏み込んで、時速60kmに達するまで7割程度まで踏み込んだ感じ。60km近くになったら次第にアクセルを緩めて、60kmに達した時点でアクセルから足を離している。まぁ、信号ダッシュで1番を取りに行ったら、バックミラーに赤い回転灯が見えてアクセルを離した感覚と言えば、いちばん伝わりやすいかも?(笑)
次のグラフはリーフの加速性能を示したグラフだ。ただコレだけ見ても感覚がつかめないので、ウチのカローラ・フィールダー(排気量1500cc)と並べて見てもらおう。
左側のリーフはアクセルを踏むとグイグイ速度を上げ、最高で0.5Gをマーク。この加速度は、旅客機が離陸するときと同じ。結果、時速60kmに達するまで13秒を割る程度となった。一方のカローラは、オートマだが1速でパワーバンドに入った時点で0.38Gをマークするも、ギアチェンジでその後加速のパワーがダウンしている様子が見られる。結局60kmに達するまでの時間は18~21秒程度となった。
それもそのはず、モーターで走るリーフは0~2730回転(rpm)辺りで最大トルク(280N・m)を発生させるのだ。リーフのスタートダッシュには、その辺のガソリン車じゃかなわない。加速感は3リッターカーで停止状態からダッシュ(パワーバンドまで回してクラッチを繋ぐんじゃなくて、フツーに運転したときね)をした感じに近いだろう。
同様に高速走行時の加速性能、時速80km~100kmまでの加速を調べたのが次のグラフだ。
リーフは瞬間的に0.48Gをマークするも、なかなかコンスタントな加速を持続できず、時速80→100kmにかかった時間はおよそ10秒。一方ガソリン車のカローラは、最大ではないもののパワーバンド近くで回転しているので、0.3Gと瞬間的な加速は少ないが、コンスタントに加速し約8秒で時速100kmまで達した。
このようにスタートダッシュでは、3リッターカー以上、もしくはそれに並ぶ加速性能を誇るが、高速での加速は2リッターカーに及ばないという感じだ。
また、グラフで特徴的なのは12秒付近の回生ブレーキだ。最大で-0.43Gまでブレーキがかかり、回転するタイヤのエネルギーを電池に溜めていることが分かる。回生ブレーキ中はブレーキランプが点灯しないため、後続車にとっては急に車間が縮まって一瞬ヒヤリとさせられるだろう。
これはリーフに限らずEV全体に言えるが、高速走行中に後続車が近くにいる場合、アクセルから足を離さず徐々に緩めていくよう心がけるといい。
なお、ECOレンジでも加速度を測定してみたが、先に紹介した通り低速でのクルージング用なので、ここでは除外した。なにせ高速道路だと、かなりパワーを絞られて時速1km加速するのに2秒ほどかかっていたので……。追い越しは必ずDレンジでかけましょう(笑)。
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