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ミクZ4、3年目の本気! SUPER GT激闘記 第36回

ミクZ4、富士で国内初優勝! シリーズトップに!

2011年09月15日 18時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 ●撮影/鉄谷康博、加藤智充、編集部

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接触するも奇跡的にノートラブルで走り続けたミクZ4

 GT500が先にスタートし、それに続いてGT300クラスもレーススタート! ミクZ4の目の前にはGT300クラスのマシンは1台もいない。会心のスタートを決めて1コーナーに向かうミクZ4。だが、同じくベストなスタートでミクZ4の背後にピタリと付けるマシンがいた。#26 タイサンポルシェである。駆るのは僧侶兼レーサーの松田秀士選手。このポルシェ、もはや型落ちとなって久しい996型だが、名門プライベーター・タイサンが熟成に熟成を重ねたマシンである。元祖直線番長に相応しいスピードで、ミクZ4に追いついてきたのである。ちなみに2007年には、谷口選手もこのポルシェで2回優勝している。

 インディ500(8位!)も経験している大ベテラン・松田選手のプッシュはすさまじく、2周にわたって激しいサイドバイサイド&テールトゥーノーズが繰り広げられた。このときに接触してしまい、ミクZ4は一時的にトップの座を明け渡すことになるが、タイサンポルシェの様子がおかしくなり、谷口選手はその隙を突いてすぐに抜き返す。どうも接触時にタイヤを痛めてしまったらしい(松田選手のブログによるとリアのホイールが割れてしまったとのこと)。タイサンポルシェはそのまま順位を落としていき、ピットイン。完全に優勝争いからは脱落してしまった。

 実はミクZ4も無傷ではなく、右のミラーが破損して使い物にならなくなってしまった。そう、片方のサイドミラーだけで戦わなければいけないのである。あと50周近く残っているのに!

 レース前に谷口選手は「ミクZ4は給油が長いので、ピットで時間をロスしてしまう。最低でも後ろのクルマには20秒以上のマージンを稼がないといけない」と言っていた。レースで20秒のマージンを稼ぐのはかなり厳しい。マシンに大きな差があるのならともかく、今のGTはラップタイムの1秒以内に10台以上のクルマがひしめき合うハイレベルなレースだ。

 応援シートでは谷口選手を信じて旗を振り続けた。祈るような思いで。そんな、みんなの願いが通じたのか、 谷口選手はすぐ後ろの#2 エヴァ紫電に対して、1周ごとに1秒もの差を付けて周回する。20周を過ぎる頃には15秒以上の差が付いていた。なお、このときは#27 イカ娘フェラーリも速さを見せ、ランボ、ポルシェを相手にストレートで3ワイドになり、そんなバトルを制して3位まで浮上してきた。ここに、1位 ミク、2位 エヴァ、3位 イカ娘という、トップ3が痛車という状況になったのだった。この状態は12~34周目にわたって続き、痛車ファンを大いに盛り上げた。

 一方、#7 エヴァポルシェ(弐号機)もグングン順位を上げて、一時は5位を走行するなど健闘を見せた。残念ながら、#5 マッハ先輩は10位以下にまで順位を落とし、#34 ハルヒポルシェは20周をすぎたところで燃料系のトラブルによりリタイアしたのだった。

 無人の野を行くかの如く、淡々と周回するミクZ4。30周を過ぎたらピットインかと思いきや、まだ走る。34周目にエヴァ紫電とイカ娘フェラーリが揃ってピットインし、35周目にようやくミクZ4もピットに入った。ここで、ドライバー交換とタイヤ全交換、そして給油が行なわれた。さすがに時間はかかったものの、後続に対して20秒以上の差をつけていたために、ピットで逆転されることはなく、番場選手がステアリングを握ってトップのままコースに出た。

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