Androidユーザーは
8カ月で6倍に増加
米国では、このモトローラをはじめとする携帯電話メーカーが、1年以上も前にほとんどのモデルをAndroid化している。一方で、日本のスマートフォン市場は、米国よりも1年遅れて立ち上がった。2007年6月にに米国で発売されたiPhoneが、日本では1年後の2008年7月に発売されたからだ(3G版ではあるが)。Androidの普及は、それからさらにずれ込んでいる。
しかし日本でも、ここにきてどうやらAndroidの利用者数がiPhoneを逆転しているようである。
アスキー総合研究所では、8月上旬に「MCS 2011」(メディア&コンテンツサーベイ)の「中間調査」を実施した。まだ十分なデータの精査をおこっなていない「速報値」的な数値だが、その集計結果からは、Androidの伸び率の高さがうかがえる。
昨年11月末~12月初旬の調査では、iPhoneの利用率が3.2%だったのに対して、Androidの利用率は1.1%だった。これが、今回、iPhoneの利用率4.3%に対して、Androidは6.9%まで拡大した。iPhoneも着実に伸びてはいるのだが、Android利用者は6倍にまで増えている。iPhoneとAndroidの利用者数の比率は、だいたい1:1.5となった。
先日たまたま、米国に住んでいる知人にスマートフォン市場について聞いてみた。その答えは、「いまiPhoneが売れていますよ!」というものだった。今年2月に携帯事業者最大手のベライゾンがiPhoneの販売を開始。2011年第2四半期の販売データを見ると、AT&TのiPhoneの契約数は前年より増え、ベライゾンはそれ以上のペースで売っている。
しかし、調査会社の数値を見ると、iPhoneは毎年2倍のペースで伸びているが、Androidはそれ以上伸びている。今年1月に、Androidがユーザー数でiPhoneを抜き去ったというデータもある。もっとも、iPhoneの場合は単一機種でそのシェアとなっているので、「売れている」というのは間違いない表現なのだろう。
日本の場合、Androidは、昨年春のソニー・エリクソンの「Xperia」の発売くらいから動きはじめて、「Android au」キャンペーンで火が点いた。iPhoneも、2011年4月のホワイトモデルの登場で、若い女性たちが飛びついたのはご存知の通りだ。そこで、スマートフォンの導入時期について調べてみると、全スマートフォン利用者の約70%が2010年11月以降、そして約45%が2011年3月以降に導入している。つまり、スマートフォン利用者の約半数は、この半年の間に買った人たちなのである。
「ガラスマ」などと呼ばれる、独自の機能を盛り込んだスマートフォンが、日本では注目されている。スマートフォンでの「ワンセグ」利用率は約22%、「おサイフケータイ」利用率は約15%だった。これが、Androidにユーザーの目が向かい始めた理由の1つになっているのだろう。なお、Androidの利用機種トップ3は「IS03」、「Xperia」(SO-01B)、「Glaxy S」という結果となった。
実際に、どんな人がどのスマートフォンを買って、どんな用途に使っているか? また、どんな消費欲求を持った人たちなのかについては、正式な集計結果が出た段階で、再度、お伝えすることにしたい。
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