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大震災以降のITの災害対策を考える 第4回

1年で4000台出荷を達成したベストセラー機が国内上陸!

こんなにお手軽!Barracuda Backup ServicesがDRを変える

2011年07月25日 09時05分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 
記事協力●バラクーダネットワークスジャパン

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アプライアンスをユーザー拠点に設置し、サーバーのデータを遠隔地やクラウドに自動バックアップするのが、バラクーダネットワークス(以下、バラクーダ)の「Barracuda Backup Services」だ。製品概要についてバラクーダネットワークスジャパンのSEマネージャを務める鈴木啓之氏に聞いた。

アプライアンスを使ってバックアップをとにかく容易に

 Barracuda Backup Servicesは、LAN内のサーバーのバックアップを自動的に行なうためのソリューションだ。欧米では発売1年で約4000台以上が出荷されており、同社の代名詞ともいえるアンチスパムアプライアンス「Barracuda Spam & Virus Firewall」を上回るベストセラー製品に成長しつつあるという。

バラクーダネットワークスジャパンのSEマネージャを務める鈴木啓之氏

 Barracuda Backup Servicesの基本機能は、Barracuda Backup Serverというアプライアンスで複数サーバーのバックアップをLAN経由で行なうというものだ。Barracuda Backup ServerのHDDにまとめてバックアップを自動取得できるので、磁気テープのように面倒な管理もなく、拠点に管理者のいないところでも安心だ。現状、Windows用のエージェントが用意されており、LinuxやMacに関してはSSH経由でバックアップを行なう。Linux用のエージェントも秋口には用意される。

 バックアップに際しては、変更点があったブロックのみバックアップする重複排除の技術を活用することで、従来までの方法と比較してストレージ容量を最大1/50まで削減できるという。更新された差分を新たにバックアップする差分バックアップよりも効率的で、WAN経由での送受信においても高速な転送が可能になる。「複数のサーバーをまたいだ重複排除が可能なので、データ量を大きく削減することができます」(鈴木氏)という。

 Barracuda Backup Serverは1Uラックマウントで250GB(推奨バックアップ容量100GB)搭載のモデル190から、3Uラックマウントで24TB(推奨バックアップ容量12TB)搭載のモデル990まで幅広く用意されている。

250GB搭載のエントリモデルのモデル190

クラウドを用いたバックアップで DRシステムとしても機能

 Barracuda Backup Servicesの最大の特徴は、LAN内でのローカルバックアップだけではなく、クラウドを用いたリモートバックアップがオプションで用意されている点だ。

ローカルとクラウドの二重バックアップが可能

 具体的にはBarracuda Backup Serverに格納されたバックアップデータを、インターネット経由で米バラクーダのクラウドに送り、暗号化して保存することができる。この二重バックアップの仕組みにより、システムの障害時はローカルのアプライアンスから高速リストア、災害発生時はクラウド側から遠隔リストアできるのだ。全部ではなく、重要なデータのみ米クラウドに待避させる(あるいはその逆)といった設定も行なえる。もちろん、インターネットの通信には暗号化が施されており、バラクーダのデータセンターも二重化されているため、セキュリティもデータ保護レベルもきわめて高いといえよう。「他社だとバックアップサーバーやVPN機器、DRサイトなどを別々に用意しなければなりませんが、バラクーダは全部自前で提供できるのが大きいです」と鈴木氏は語る。アプライアンスとクラウドサービスを組み合わせた、非常に先進的なサービスといえる。

 もちろん、海を渡った海外のデータセンターにバックアップデータが格納されるという点に不安を覚えるユーザーもいるだろう。そのため、Barracuda Backup Serverでは、アプライアンス間でのサイト間データレプリケーション機能も用意している。本社拠点においた上位モデル(モデル490以上)を「親」、各拠点に設置した下位モデルを「子」として組み合わせることで、Barracuda Backup Servicesのレプリケーションを機能させることができる。

BOX to BOXのサイト間データレプリケーション

 クラウドへの抵抗感がまだまだ高い日本では、この「BOX to BOX」というサイト間データレプリケーションの機能が追加されたのを待って、製品が4月に投入されたという経緯がある。DRシステムを自前で調達した国内のデータセンターで構築できる点がメリットといえる。

 ユニークなのは、設定や運用管理もクラウド経由で行なうという点。管理用のGUIがクラウド上にあり、そこから行なった設定がローカルのアプライアンスに反映されるという仕組みになっている。「ユーザーはBarracuda Backup ServerにIPアドレスを割り当て、インターネットに接続できるようにすれば、あとはクラウド経由で複数のアプライアンスを集中管理できます」(鈴木氏)という。GUIも完全に日本語化されており、バックアップのスケジューリングや運用状態、レポートなどを一元的に把握できる。

完全に日本語化されたGUI。GUI自体はクラウド上にある

Barracuda Backup Servicesで 実現するコスト削減

 Barracuda Backup Servicesの魅力は、ローカルとクラウドの二重バックアップという堅牢なシステムを、非常にシンプルな形で実現している点だ。ユーザーは拠点にアプライアンスを設置するだけで、あとはWebブラウザからクラウド経由で設定や管理が行なえる。DRサイト用のクラウドまで1つのパッケージとなっており、導入しやすい。

 もう1つの魅力は、やはりコストだ。従来のバックアップは、サーバーの台数分のバックアップソフトやオプションのライセンスに加え、保存先となるストレージやメディアが必要になる。DRの場合はさらに回線やDRサイトでのストレージを確保しなければならない。これに対してBarracuda Backup Servicesでは、もともとアプライアンス自体が安価なのに加え、バックアップソフトのライセンスが不要だ。また、クラウドの利用も必要な容量分を購入すればよいので、通常のDRサイト構築に比べて、コストは大幅に削減される。

 このようにBarracuda Backup Servicesは、今まで管理者の負担となっていたバックアップを劇的にシンプルにし、低価格で実現する。「磁気テープの運用に限界を感じていたり、複数サーバーのバックアップのライセンスが高いと思っている企業で数多く導入されています」ということで、クラウドやDRより、むしろオーソドックスなバックアップの悩みを解消するためにBarracuda Backup Servicesを選定するユーザーが多いようだ。30日間の試用が可能なので、さっそくBarracuda Backup Servicesの使い勝手を体感してみよう。

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