12月2日、バラクーダネットワークス(以下、バラクーダ)は都内で「バラクーダネットワークスパートナーサミット」を開催した。米国以外で初めて開催されるイベントで、デモンストレーションや設定、新製品の機能紹介、WAF(Web Application Firewall)やロードバランサーの導入事例の紹介、パートナー施策、懇親会などの盛りだくさんのプログラムが行なわれた。
「低廉な価格とシンプルさ」のポリシーを披露
バラクーダネットワークス(バラクーダ)は、今から6年前の2003年に設立されたITベンダーで、スパム対策アプライアンスである「Spam Firewall」で知られている。簡単設定と高いコストパフォーマンスを持ったコモディティ化されたアプライアンスを得意としており、近年はロードバランサーやWAFなどの製品を次々とリリース。国内でもすでに8製品を投入し、パートナーも拡充し、徐々にシェアを伸ばしている。
冒頭、バラクーダの現状について語ったCEOのディーン・ドレイコ氏は「簡単で使いやすく、価格もリーズナブル、ユーザー課金のないシンプルなライセンスという方程式で、今まで成長してきた。世界中ですでに10万社の顧客がおり、いわゆるサブスクリプションでの売り上げも拡大している」とビジネスの好調ぶりをアピールした。
続いてプロダクトマネージメントVPのスティーブ・パオ氏がバラクーダ製品の方向性やビジョンについて述べた。同社の主力製品であるセキュリティ製品に関しては、「Webやメールのコンテンツセキュリティの分野ではリーダーになっており、特に北米ではWebフィルタリングも、日本のメールセキュリティと同じくらい大々的に展開している。われわれはUSBメモリやP2Pの脅威は検知していないが、特にメールのウイルス検出は非常に優位にある」と得意分野について述べた。また、バラクーダというとセキュリティ製品のイメージが強いが、低廉な価格で話題になったロードバランサーやSSL-VPNなどのアクセス管理製品、メッセージアーカイブやバックアップサーバー、データ保護ソフトウェアなどストレージ関連の製品も紹介した。
パオ氏は「低廉な価格」と「シンプルさ」というバラクーダ製品のポリシーについても語った。低廉な価格に関しては、同社のロードバランサーの価格を他社の製品と比較しながら、徹底したコモディティ化戦略を解説。「マーケット当初に成功したベンダーは割り増し価格を設定することが多い。しかし、私たちは低価格化することで、新しい市場ができないかと考えた」とのことで、低価格化による市場創出を重視したことを強調した。
また、シンプルさについては、以前のアップルのカンファレンスのスライドを引用し、その哲学を述べた。このスライドは、数多くのボタンが鎮座するマイクロソフトのメディアセンターのリモコンと6つのボタンしかないアップルのリモコンを比較したもの。パオ氏はこのスライドで示される「あまり使わない機能に対してボタンを割り当てたため、操作が難しくなっているリモコン」と同じことが、ITに関しても起きていると語る。ボタンの多いリモコンが登場した背景を「問題を過剰にエンジニアリングして、かえって複雑さが増してしまっている」(パオ氏)と分析。具体例としてシンプル化を謳いつつ、数多くの製品とモジュールが必要になる他社のWebフィルタリングソリューションを例に挙げた。
これに対して、バラクーダは単一のアプライアンスですべてを済ませられるようになっているほか、複雑な操作性も排除。また、複数の異なる製品でも操作性に一貫性を持たせているという。
(次ページ、アプライアンスにはこだわらない柔軟性)
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