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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第58回

今こそ原点のアナログへ――コルグ入魂のシンセ「monotribe」

2011年05月21日 12時00分更新

文● 四本淑三

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リボンコントローラーで音階が弾ける仕組み

―― じゃあ、仕事を続けましょう。シンセ部の回路はmonotronとどう違いますか?

高橋 VCO周りはほぼ同じですが、ウェーブフォームも増やしてありますし、今回は仕様がずいぶん変わっているますね。例えばフィルター(VCF)は基本的に同じですが、S/Nを良くしたものが載っています。

―― 大田さんはサウンド(音色設計)が担当ですけど、アナログの場合は回路が決まっちゃうと、音も動かせないんじゃないですか?

取材中も遊びっぱなしだった

大田 そうですね。音色は回路で実現するものですけど、おもしろいなー、とか言いつつ僕は触っているだけです。

坂巻 ははは。いやいや、LFOがどれくらいのスピードであるべきか、ノイズの音質はこれでいいのかとか、フィルターはどう動くべきか、各波形はどうあるべきか。そこはもう喧々諤々と。

高橋 大田から「もうちょっとキックを低く」と言われてコンデンサを変えたり。「ちょっと行き過ぎ」と言われたら、また直したり。monotronで基本ができ上がっていたので、今回は回路設計に戻ってやり直すことは、ほとんどなかったですけど。

坂巻 そのプロセスで音が変わるんですよ。前よりも絶対に良くなる。

―― 今回新たに入ったオートチューニングは何をするものですか?

高橋 まず音源がアナログなので、電源を入れてしばらく経たないとピッチが安定せず、寒いところで使うとズレる、という問題があると思うんです。まず、それを解決するためですね。温度の変化で部品の特性が変わったりするのを補正しようということです。

―― どんな風に動作するんですか?

高橋 実際に出力している周波数を見ながら、それに対する補正量を決めています。中にピッチCVのようなものがあるんですが、それを足したり引いたりして正確なピッチを出しています。

坂巻 昔のアナログシンセサイザーのオートチューニングと一緒ですよね。

―― リボンコントローラーのレンジが3つありますけど。

高橋 「NARROW」がmonotronと同じです。「WIDE」が可変幅全部を使い切るもので、「KEY」がクロマチックスケール(半音階)ですね。

リボンのレンジは3つ。注目はクロマチックスケール(半音階)

―― オートチューニングの仕組みは、リボンコントローラーでクロマチックスケールを出すためにも使ってますか?

高橋 はい。放っておくと何もしていないようですけど、裏では一生懸命チューニングし続けているんです。状態に合わせて補正のパラメータを更新し続けていて、リボンコントローラーを押したときに適切なピッチが得られるようなCVを出すようにしています。

―― これ画期的ですよね?

高橋 ええ、もう音楽的なプレイができるので。

(次ページに続く)

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