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レノボ・ラピン社長に聞く、NECとの合弁会社

2011年03月05日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp編集部

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日本の技術をより安価に、そして世界に

── 合弁会社のサプライチェーンは共同でやられるのですか。

レノボの世界規模の調達によって、NECの技術がより安価な製品として華開くとする

ラピン そうですね、そこがカギになると思います。ただし、ひと口にサプライチェーンと言っても広いですから、いくつかの段階に分ける必要があると考えています。

 まずは研究開発の拠点に関して。

 レノボには「イノベーション・トライアングル」と呼ぶ3つの開発拠点があります。中国の北京、日本の大和、米国のノースカロライナです。

 それとは別にNECはNEC独自の研究開発拠点を持っており、そこから日本市場に特化した製品を提供していきます。短期的にはここの部分は別々にやっていくつもりで、NECの研究開発部門は、当面の間、独立性を保つ形になります。

 もちろん2社の間でコミュニケーションを密にとって、プロセス面で改善できる要素はないかなどを考えます。お互いのベストプラクティスを持ち寄ることもあるでしょうし、資材調達などシナジーが見込める部分があればそこは追求していきたいと思います。


── マーケティングという意味合いでは、どうでしょうか? 量販店での販売方法や、官公庁とか教育分野など、NECが強い分野があります。ただし、NECのPCは国内市場に特化したハードウェアになるため、基本的に割高です。レノボの世界規模の調達がこれに加われば、いいスペックをいい価格で出せるはずですが。

ラピン おっしゃる通りです。レノボ/NECそれぞれのプロダクトラインとGo To Market戦略をみるとお互いを補完しあえる部分が非常に多いと思います。個人市場の例を上げると、NECの製品は日本市場に特化した機能を持っていますが、その結果として価格もプレミアムになってしまう。レノボはグローバルでメインストリームになっているものを日本で展開しているので、それよりも低い価格帯となります。

 この2つの製品群を比較すると実はあまりぶつかるところがない。お互いを補う形になっている。この関係を維持していきたいと思います。

 先週量販店に赴く機会がありましたが、NECはほぼ全商品でLED(スーパーシャインビューLED液晶パネル)を使用しています。日本のほかのメーカーと比較しても浸透率が高いと言えます。

 日本の顧客やパートナーの声を聞きながら、こうした技術を守っていくことが重要です。ただし私自身は日本の革新力日本以外の市場に展開していくという興味があります。


── 実はそこが一番聞きたいところでした。日本の技術は世界のマスに広げられるのでしょうか。

ラピン もちろんですよ。

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