2011年1月に発表された、NECのパソコン部門(NECパーソナルコンピュータ)とレノボ・ジャパンによる合弁会社の設立は、当時のパソコン業界に大きな衝撃をもたらした。日本国内では最大のシェアを誇るとはいえ、世界展開はないNECのパソコン部門と、世界シェアでトップ5に入るレノボの合弁ということで、「日本のコンピューター産業はどうなるのか」といった視点でも、不安や懸念を持って語られることも少なくなかった。
大きな反響を呼んだNECレノボ・ジャパングループが発足したのは2011年7月。それから1年経った4日に、同グループとNECパーソナルコンピュータ、およびレノボジャパンは共同記者会見を開催し、合弁による成果についての報告を行なった。
同グループの会長であるロードリック・ラビン氏は統合の成果について報告。統合後最初の四半期での国内パソコンシェアを、前年比6%増の26.4%へと増加させたほか、売上高でも前年比11%増を達成するなど、シェアの向上と販売単価下落に歯止めをかけることに成功したと、誇らしげに語った。
合弁設立だけの成果ではないが、レノボグループ全体でも2011~2012年の第2四半期の世界シェアを第4位から第2位へと成長させて、過去最高の売り上げとシェアを達成。「企業買収では1+1が1.5程度にしかならない例も多いが、(同グループは)1+1を2以上にできた」として、統合の成果が上がっていることを強調した。
また同日には、従来から行なっていたコンシューマー向け製品のサポートだけでなく、レノボの法人向けパソコンの全製品サポートの、NECパーソナルコンピュータ側への移管を発表。また、レノボのコンシューマー向け一体型デスクトップパソコン「IdeaCentre B540p」に、NEC製のテレビ視聴ソフト「SmartVision Light」を搭載したモデルを8月下旬から販売開始するといった、協業の進展がうかがえる発表も行なわれた。
NECパーソナルコンピュータ代表取締役社長の高塚 栄氏は、3日に発表されたばかりのUltrabook「LaVie Z」を披露しながら、統合によるNEC側での変化について説明。最軽量を実現したLaVie Zのように、「エンジニアのやる気が出てきた」結果が商品企画・開発に現われているとした。
同グループでは今後の大きな目標として、グループでの国内パソコンシェア30%を目指すとしている。
