FCH「AMD A50M」のSATA3.0(6Gbps)性能を確認
昨年末から、400MB/secを超える転送速度を誇るSSDが続々と発売されているが、これらのSSDの性能をフルに発揮するにはコントローラーの性能が非常に重要だ。AMD SB850は高速な転送速度を誇ることで評判の高いコントローラだが、Fusion APUと組み合わせて使用される「AMD A50M」ではどうだろうか?
そこで、今回はWesternDigital製のSATA 3.0(6Gbps)対応HDD「WD1002FAEX」を使って、確認してみることにした。テストには「CrystalDiskMark3.0」を使用し、テストデータのサイズはHDDのキャッシュに収まる50MBとした。
シーケンシャルリードは400MB/secオーバーを計測、その他の結果を見ても890GXと同等のスコアとなった。AMD A50Mなら最近の高速なSSDでもその性能を十分に発揮することができる。
Fusion APUの省電力性を確認
最後にFusion APUのもうひとつの特徴となっている省電力性能について確認してみたい。今回は「Watts up? PRO」を使い、30分放置して最も低い状態をアイドル時、「3D MarkVantage 1.0.2」実行中、最も消費電力が高かった時点を高負荷時とした。
E-350と890GX+Athlon II X2 240eを比較すると、アイドル時で約24W、高負荷時で約40W低くなった。特にE-350は高負荷時でも890GX+Athlon II X2 240eのアイドル時より低く、その省電力性の高さには驚かされる。
またGeForce 210との比較でもアイドル時で約8W、高負荷時で約20Wの違いが出ており、性能を考えるとこのクラスのビデオカードを搭載するメリットはまった
くない。
高いグラフィック性能と省電力が魅力な「Fusion APU」
ここまでGIGABYTEのE350N-USB3を使って、AMDの新プロセッサFusion APUの性能を確認してきた。やはりと言うべきか、CPU性能はローエンドデスクトップCPUと比較しても厳しい結果で、ここでの過度の期待は禁物だ。一方で、グラフィック性能はこのクラスとしては非常に高く、オンボードグラフィックとしては高性能な890GXと同等以上の性能となっている点には注目だろう。
またFusion APUのもうひとつの売りである消費電力は、低消費電力版のデスクトップCPUと比較しても圧倒的に低くなっており、その完成度は高い。実際、自作市場でのAtomプラットフォームの人気を見ても、省電力性重視というニーズは間違いなく存在している。そんな中で、これまでより高いグラフィック性能と高速なインターフェースを持ったFusion APUは省電力プラットフォームの新しい選択肢として十分な実力を兼ね備えているといえるだろう。
あえて、付け加えるのであれば、コストパフォーマンス面での改善がポイントとなる。市場想定売価は税込で1万5000円前後が予定されている同製品だが、AMDの非常に安くなったデスクトップ向けCPUとマザーボードを組み合わせた価格と対比してしまうユーザーも少なくないはずだ。今後の本格普及には、そのあたりがポイントとなりそうだ。
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