ベンチマークテストにて「Fusion APU」の性能をチェック
それではベンチマークにてFusion APUの性能をチェックしていこう。今回は、比較対象に「Athlon II X2 240e」(2.8GHz)と「AMD 890GX」チップセットを組み合わせたAMD環境を用意した。
AMD 890GXに統合されるGPUコア「Radeon HD 4290」とRadeon HD 6310では、シェーダプロセッサは40基から80基と倍になっているものの、動作クロックは700MHzから500MHzへと下がっており、このあたりがどの程度パフォーマンスに影響するのか気になるところだ。またFusion APUのクロックあたりの性能を確認するため、今回はAthlon II X2 240eのクロックを1.6GHzにダウンクロックしたものでも測定している。
「Fusion APU」テスト環境 | |||
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APU | E-350(1.6GHz) | ||
マザーボード | GIGABYTE「E350N-USB3」 | ||
メモリー | UMAX「Cetus DCDDR3-4GB-1333」(DDR3 PC3-10666 2GB 2枚組) | ||
ビデオカード | オンボード 玄人志向「GF210-LE512HD」(Geforce 210) |
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システムディスク | Intel「X25-M SATA SSDSA2MH080G2R5」(80GB) | ||
光学ドライブ | LITEON「DH-20A3S」 | ||
電源 | Corsair「CMPSU-750HXJP」(750W) | ||
OS | Windows 7 Ultimate(64bit) | ||
「AMD 890GX」テスト環境 | |||
APU | Athlon IIx2 240e(2.8GHz) | ||
マザーボード | ASRock「890GX Extreme3」 | ||
メモリー | UMAX「Cetus DCDDR3-4GB-1333」(DDR3 PC3-10666 2GB 2枚組) | ||
ビデオカード | オンボード | ||
システムディスク | Intel「X25-M SATA SSDSA2MH080G2R5」(80GB) | ||
光学ドライブ | LITEON「DH-20A3S」 | ||
電源 | Corsair「CMPSU-750HXJP」(750W) | ||
OS | Windows 7 Ultimate(64bit) |
なお、少々分かりづらいが、自作市場において実際に競合製品となってくるであろうION2プラットフォームと同じGT218コアを採用したビデオカードも用意した。「GeForce 210」搭載ビデオカードの玄人志向「GF210-LE512HD」だ。ION2採用マザーを用意すればよかったのではあるが、時間の都合上、どうしても間に合わなかったのでご勘弁いただきたい。
ちなみに、同カードは、メモリクロックが定格の500MHz(1GHz相当)から400MHz(800MHz相当)へと下げられているので、実際の性能よりは低くなっている点はご了承いただきたい。テスト環境は上記の通り。
Windows 7エクスペリエンスインデックスで
基本性能をチェック
まず始めにWindows 7エクスペリエンスインデックスを使って、「Fusion APU」の基本性能を確認してみよう。
最も低いスコアはプロセッサの「3.8」。これは1.6GHz動作のAthlon II X2 240eと比較しても約7割程度の性能ということで、CPU性能はそれほど高くない。
一方、グラフィックス関係のスコアは優秀で890GXとほぼ同等、GeForce 210と比較しても見劣りしないスコアとなっている。いずれにしてもWindows 7を使う上での最低条件となるスコア3.0は大きくクリアしている。
PCMark Vantage 1.0.2.0
続いて、PCの総合性能を測定する「PC Mark Vantage」の結果を確認してみよう。こちらは、CPU性能の影響が大きいこともあり、「890GX+Athlon II X2 240e」と比較すると約2倍、1.6GHz動作の場合でも約1.4倍と大きく差を付けられる結果となった。
CINEBENCH 11.5
さらにCPU単体の性能を確認するために「CINEBENCH 11.5」のスコアも確認しておこう。こちらは890GX+Athlon II X2 240eで約2.6倍、1.6GHz動作の場合でも約1.5倍とPCMark Vantageよりもさらに差が広がった。
Fusion APUのCPUコア性能は同クロックのAthlon II X2の6割から7割程度の性能でデスクトップ向けCPUと比較するとかなり厳しい性能となる。
(次ページへ続く)
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