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Facebookのモバイル戦略担当がネットワーク社会を語る

2011年06月08日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 インターネットとモバイルにより、オンラインは現実世界の反映に近づきつつある――実名ベースのソーシャルサービスでその流れを加速しているFacebookは、人が中心のソーシャル設計の一環としてモバイル強化に取り組んでいる。

Facebookでモバイル戦略を担当するDhiraj Kumar氏

 Facebookでモバイル戦略を統括するDhiraj Kumar氏が5月にEricssonがサンノゼで開催したイベント「Innovation Forum 2011」で、インターネット社会と人をテーマにFacebookの理念について語った。

 Kumar氏はまず、「インターネットは実名になった」と言い切る。10年前、インターネットは匿名の世界で、ユーザーは“スクリーン名”を持って掲示板やフォーラムを利用した。当時ネットの世界で実名を公開することは想像できなかった。そして現在、Facebook内では実名で友人や家族とやりとりをしている。「オンラインで本当のアイデンティティを明かすことが当たり前の時代になった」とKumar氏。ハーバード大学で始まった実名を原則とするソーシャルサービスであるFacebookは、実名インターネットを大きく後押しした貢献者といえる。

 トレンドは実名だけではない。ブロードバンドとモバイルなどネットワーク側が整備されたことで、いつでもどこでも友人とつながるようになった。これまでにはない形で「リアルなイベントを共有している」とKumar氏は言う。

 旅行、誕生日などの個人的なイベントはもちろん、スポーツの重要な試合、先の英国のロイヤルウェディングなどの大きなイベントの際はネットワークのトラフィックが増える。FacebookとTwitterは、中東でのデモや革命でも重要な役割を果たしている。これらも、少し前では想像できなかったことだ。「デジタル社会はリアル社会を映す鏡に近づいている。これは、根本からの変化だ」とKumar氏はまとめる。

 ここでFacebookが重要と考えるのは人だ。「人が中心のデジタル社会」を構築する必要があるとKumar氏は言う。Facebookはソーシャルサービスだが、設計にあたり、人と人との結びつき(“Social Graph”)が常に変化・拡大する中で、共有を容易にすることを常に考えているという。

 「まず人、コンテンツはその次だ」として、一例として挙げたのがFacebookの写真機能だ。人が中心となる写真共有機能を考えた結果、写っている人物にタグを付けられるようにした。ちょっとした工夫だったが、ユーザーの評判は良く、毎月30億枚以上の写真がアップロードされているという。このほかソーシャル設計では、少しのステップで多くをアクティベートすることも重要なポイントに挙げた。

 モバイルについては、「戦略的に非常に重要だ」と語る。ソーシャルネットワークは日常の一部としてよく利用するアプリで、常にユーザーが手にしている携帯電話と相性がよい。「ソーシャル=モバイルといっても過言ではなくなっている」と述べる。Facebookユーザーの約40%がモバイルからアクセスしており、スマートフォンでは多数のアプリマーケットでダウンロード数最多で、最も利用されているアプリとなっている。

 モバイル利用の傾向はティーンエージャーほど強いという。また、ユーザーが増えている新興国では、モバイルが入り口となることが多い。Kumar氏は具体的な取り組みは明かさなかったが、戦略担当としてプラットフォームベンダー/端末メーカー/オペレーターと幅広く協業しており、画面サイズが小さく、入力方法が異なるスマートフォンでも快適にFacebookを利用できるように工夫を重ねているとした。


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