CESを彩る主役のひとつが、大画面テレビである。大手家電メーカーはこぞって力を入れた新製品を出展し、その魅力のアピールに努める。今回はそうした家電メーカー各社のテレビの中から、日本市場での発売が期待される注目の新製品をご紹介しよう。
東芝ブースで65インチのグラスレス3D映像を体験
2011年のテレビの話題で、もはやなくてはならないのが「3D」と「ネットコンテンツ対応」。特に3Dについては、各社からさまざまなジャンルで、裸眼式(グラスレス、グラスフリー)の3D表示を実現した機器が出展されたのが注目を集めた。とはいえ、テレビについてはただちに製品化されるものではなく、あくまで参考展示。それでも多くの機器展示が行なわれたことで、グラスレス3D対応のテレビやディスプレーが、遠からず商品として市場を賑わせることを実感された。
そんなグラスレス3D対応機器の中でも、来場者の注目を集めていたのが東芝の「大型グラスレス3Dテレビ」。20インチのグラスレス3Dテレビをすでに発売するなど、この分野では一歩先行している感のある東芝が、今度は大画面テレビのサイズでグラスレス3Dを実現したとあって、来場者が列をなして同社の体験ブースに詰めかけていた。
展示の目玉は65インチと56インチの試作機。いずれもテレビから数m離れたところから見ると、映像が3Dに見えるというものだ。4K2Kの高解像度パネルを使用し、映像処理エンジンには、CELLレグザエンジンの後継となる「CEVOエンジン」を使用するという。2011年中には「40インチ以上」の製品を発売するとのことで、今から楽しみでならない。
また、こちらの記事でも触れたように、東芝ブースではグラスレス3D対応の15.6インチディスプレーを搭載したノートパソコン試作機も出展されていた。パソコンの処理能力と内蔵ウェブカメラを利用して、ユーザーの顔を認識して適宜3D表示と2D表示を切り替えるという、非常に興味深い技術を実現している。
ソニーもグラスレス3D対応機器の展示に力を入れていた企業のひとつ。だが大画面テレビを中心とした東芝とは異なり、パーソナルユースの機器でグラスレス3D対応製品や試作機を多数出展しており、その方向性は異なる(関連記事)。テレビの方では、56インチや46インチのグラスレス3D対応液晶テレビ試作機を出展したほか、24.5インチの有機ELディスプレー試作機も出展して注目を集めた。
また、2011年2月に発売される「ニンテンドー3DS」に、グラスレス3D液晶パネルを供給するシャープでは、タブレット端末でよく使われる10.6インチサイズのグラスレス3D液晶パネルを出展していた。「もしかしたら次世代の電子書籍端末で採用されるのでは」と期待される。
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