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週刊 PC&周辺機器レビュー 第85回

普通が「一番」なシンプルノート Endeavor NY2000

2010年12月17日 12時00分更新

文● 池田圭一

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国産メーカーの細かな気配りを感じる細部

 NY2000はシンプルな作りの製品であることに違いないが、気配りの細かさを忘れていない製品である。

従来型キーボードを搭載

従来型キーボードを搭載。パームレストも広く余裕がある。HDDアクセスランプなどを左に装備、上部、電源ボタン横の「電源プラン切り替えボタン」にも注目したい

 キーボードは、近頃の低価格ノートに多いアイソレーションタイプではなく、通常形状のパンタグラフ式キーボードだ。キーピッチは余裕の18.5mmで、ストロークも2.25mmで打鍵感がある。また、ThinkPadなどでみられるバスタブ状ベースを採用しているためか、剛性が高くキータッチもしっかりしていて使いやすかった。なお、NY3000にはテンキーも搭載されているが、一回り小さいNY2000にはない。

 マルチタッチ対応のタッチパッドも広く、反応も良好。ただし、マウスボタンは薄い1本の横長カバーで覆われたシーソー式のため、どこを押せばいいのか指が迷うこともあった。

 また細かい部分だが、左のCtrl/Fnキー、右のAlt/Win APP(コンテキストメニュー)キーにも注目したい。NY2000はBIOS設定で、Ctrl/Fnキーの左右入れ替えと、Alt/Win APPの左右入れ替えが可能になっている。このキー配置が気になるユーザーも少なくないと聞くので、この入れ替え機能は評価できる。さらに、左右を入れ替えてもキー刻印に矛盾が出ないように、Ctrl/Fnキーに両方の文字を刻印しているというのは、非常に珍しい気配りだ。

BIOSのキー設定

BIOS設定で左下のCtrl、Fnキーの配置や、右側のAlt、Win APPキー配置を入れ替えられる

Ctrl/Fnキーの刻印

キーボード左下のCtrl/Fnキーは、左右を入れ替えた時用に、キートップには双方の刻印がなされている

 仕様面ではごく標準的な製品なので、特筆すべきことは少ないが、メンテナンス性にも触れたい。本体底面には大小2枚の樹脂製パネルがあり、小を開けるとHDDが、大を開けると無線LANモジュールやメモリースロットにアクセスできる。

底面カバーを開けた状態

底面カバーを開けた状態。開ける機会は多くないと思われるが、メモリー交換などのメンテナンスは容易だ

 標準メモリー2GB搭載のモデルを購入して、後からメモリーを増設してもいいし、容量250GBのHDDをより大容量の物に取り替えてもいい。いまどきの多くのパソコンのようにシステムリカバリーをHDD内に用意するのではなく、専用リカバリーDVDが標準添付されているのも親切だ。HDD交換にともなうリカバリーにもそれほどの手間を要しないはずだ。

容量4400mAhのバッテリーが付属

容量4400mAhのバッテリーが付属。本体の消費電力が最大65Wと意外に大きく、比較的コンパクトな付属ACアダプターが熱を持つのは気になった

 なお、バッテリーには容量4400mAh、47Whのリチウムイオン充電池を採用する。カタログ上のバッテリー使用時間は4.3時間。重さ約2.1kgとモバイルノートではないが、電源を確保できない場所でのちょっとした利用であれば不満を感じない駆動時間だろう。電源スイッチの横に「電源プラン切り替えボタン」を用意しており、ワンタッチでバランス/省電力/超省電力/高パフォーマンスの4段階に、簡単に切り替えられるのもうれしい。

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