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とある物書きの電算機部品評論

GeForce GTX 480のOC耐性は!?  最強GPUの限界に挑戦

2010年06月07日 17時00分更新

文● H14 富田忠雄

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動作限界クロックを見極める

 動作限界クロックを探っていくとコアクロックは定格クロックから85MHzアップした785MHz(CUDAクロック1570MHz)、メモリクロックは304MHzアップした4000MHzでのオーバークロック動作に成功。限界クロックの見極めには、「3DMark06」や「バイオハザード5」などのベンチマークやゲームソフトを使ったが、GPU負荷が低いソフトではコアクロック800MHzで問題なく動作することもあった。しかし、GPU負荷が高い激重の「Heaven Benchmark」は、785MHz以上で実行するとブラックアウトしてしまい「NVIDIA System Tools with ESA Support」の設定がデフォルトにリセットされてしまう症状が頻発した。症状を鑑みるとコアの動作限界というよりは、高負荷時における冷却不足の可能性が高そうだ。
 ファンの駆動音は大きくなるがGPUクーラーの冷却性能を上げるために、“ファン回転率”を常時70パーセント(回転数3000rpm前後)で動作するよう設定を変更した。ちなみに初期設定のファン回転率は40パーセント~最大60パーセント前後(回転数1600rpm~2300rpm前後)になっている。

GPU-Zの「GPU Clock」項目がリアルタイムの動作クロックになる。下に定格クロック(Defaault Clock)が表示されるので便利だ

 5MHz刻みでオーバークロック限界を詰めていくとコアクロック810MHzで不具合が発生。爆音となるファン回転率100パーセント(回転数4800rpm前後)でもベンチマークは完走できなかった。コアクロック805MHzだと「Heaven Benchmark」や各種ベンチマークがスムーズに完走したので、コアクロックは805MHzが限界クロックと判断した。なお、メモリクロックもファン回転率を上げたことで、さらに50MHz(4100MHz)のアップに成功した。
 今回使用したMSI「N480GTX-M2D15」の動作限界クロックは、コア/CUDAクロックが定格から15パーセントアップの805MHz/1610MHz。メモリクロックは定格から約11パーセントアップした4100MHzといったところのようだ。CPUのような大幅なクロックアップはビデオカードでは望めないが、EVGAやZOTACなどから登場しているオーバークロック仕様の「GeForce GTX 480」搭載ビデオカードより、高い動作クロックに設定できたので良しとしよう。

「手動設定」をクリックして、バーを右に動かせば好みのファン回転率に設定できる。ただし、回転率アップとともに音は大きくなるので設定変更時は爆音を覚悟しよう

 続けてGPUコアの駆動電圧を上げてのオーバークロックに挑戦してみよう。ただ、NVIDIA製ツールの「NVIDIA System Tools with ESA Support」ではGPUコアの電圧変更は行なえないので、MSI「Afterburner」(アフターバーナー)を使って電圧を調整するとこにした。最新の「Afterburner 1.6.0 Beta6」の初期設定では「GeForce GTX 480」の電圧調節が無効になっているが、「Settings」の「Unlock Voltage Control」の項目をチェックして、Afterburner(アフターバーナー)を再起動すれば、コア電圧を変更可能になる。

「Settings」の「Unlock Voltage Control」の項目をチェックすれば、コア電圧を変更できるようになる。設定は1.213vまで可能だったが、デフォルトの1.038vから1.138vにアップしてテストを行なった

 コア電圧を1.1vに設定しての限界を探っていくとコアクロックは定格のコア電圧時より45MHzアップした850MHzまでHeaven Benchmarkの完走に成功した。なお、コア電圧を上げると当然だがコアの温度も上昇するため、高負荷時のファンの回転率は常時100パーセント(回転数4800rpm前後)の爆音状態で試している。
 定格電圧時の動作限界クロックより、45MHzアップする結果になったがテスト中に負荷テストとして使用していたHeaven Benchmarkのfps(フレームレート)は、805MHz動作時と比べて1fps程度しか違わないという結果に。各種ベンチマークごとの結果は後述するが、コア電圧を上げたことによる発熱量や騒音の増加などのデメリットを背負って、フレームレートが1fpsアップだとちょっと悲しい……。

(次ページへ続く)

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