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いよいよ発売!! iPad総力特集 第9回

iPadで「できるかな」? 5つの用途でチェック!!(後編)

2010年06月08日 12時00分更新

文● 林佑樹(@necamax)、広田稔 協力●倉西誠一(@kararemichi

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4.手持ちのビデオを快適に見たい

 iPadは写真だけでなく、ビデオ鑑賞にも向いた端末だ。CPUが高性能な「A4チップ」に変わったことで、iPhoneでは再生が厳しい動画も楽に再生できるようになった。

 今のところiPadでビデオを見るには、動画共有サービスを使うのが手っ取り早い。ただしまともに使える動画共有サービスは標準アプリを使うYouTubeか、iPhone用アプリの「zoome」ぐらいだ。「ニコニコ動画」や「ニコニコ生放送」はiPhone版アプリが動くが、モバイル向けに変換された画質なので動きがカクカク気味。「GyaO」はそもそも非対応だ。盛り上がりを見せる「Ustream」も視聴できない放送が目立つ。

 アップルはiTunes Storeでもビデオを販売しているが、日本ではミュージックビデオが主で、米国のように映画やテレビ番組は扱っていない。

 ということで見たいビデオをiPadで楽しみたいなら、手持ちの動画を転送するという方法が確実になる。ここでは携帯プレイヤーとしてiPadを使ってみて、その可能性を探ってみよう。

iTunes Storeで買ったミュージックビデオは「ビデオ」アプリで再生可能。SD画質のものが多いが、実写系はあまり気にせず楽しめる

しばらくチェックしていなかったが、ミュージックビデオの数が増えていた。iPadのブレイクでさらに増えるといいのだが……

ニコニコ動画は、サービスにログインしたり動画の説明を読むことはできる

肝心の動画となると、ウェブブブラウザーではFlash非対応なので見られない。高画質なiPad用アプリの登場に期待だ

 iPadで再生可能な動画は以下表のようになっている。H.264かMPEG-4であればOKとシンプル。最近の16:9というサイズを考えると、H.264を基準に動画を選ぶといいだろう。

ビデオ
フォーマット H.264 MPEG-4
解像度 最大1280×720ドット(720p) 最大640×480ドット
フレームレート 最大30フレーム
ビットレート 最大2.5Mbps
オーディオ
ファイル形式 AAC-LC(最大160Kbps)、m4v/mp4/movファイルフォーマットで使えるステレオオーディオ

ファイルを転送してみる

 

 ムービーの転送方法は、母艦PC側のiTunesにファイルを登録し、さらにプレイリストに追加して……というiPhoneやiPodで動画で見るときと同じ流れでOK。

 見たい動画もアップルの簡易ビデオ編集ツール「QuickTime Player」をPro版にアップグレードすればiPad用の動画に変換できる。ただし、Pro版のQuickTime PlayerはMPEG-2など、標準で対応していないファイル形式も多い。

 対応フォーマットを増やしたい、そもそも手持ち動画のフォーマットが膨大すぎて調べるのも面倒というなら、サイバーリンクの「MediaShow Espresso 5.5」などを使うのも手だ。こちらも元動画を選び、視聴したいデバイスを選択すると変換が始まる。GPU支援での高速エンコードだけでなく、変換後にはiTunesに登録もできるなど使い勝手がいい。

アップル謹製、Quicktime PlayerのPro版。Mac/Windowsユーザーを問わずオススメ。変換したい形式を選ぶだけで、あとはQuicktime Proが処理してくれる。価格は3400円

MediaShow Espresso 5.5。Windowsユーザー限定となるが、視聴したいデバイスを選ぶだけのカンタン操作とGPU支援での高速エンコードが魅力。価格は3980円で体験版もアリ

ファイルビューワーを使う場合、iTunesでiPadと同期する際にファイルを送り込める

 付属の「ビデオ」アプリではなく、「Private Media Folders」や「GoodReader」といった動画再生機能を持つファイルビューワーを使う方法もある。

 この場合は、iTunesでiPadと同期する際、「アプリ」タブから直接送り込むファイルを指定すればいい。「GoodReader」では無線LAN経由で送信することも可能だ。このときの対応フォーマットは、iPhone OS準拠となるので、H.264とMPEG-4。当然、再生は問題ないし、ダラダラ見るにも適している。

 動画を見るにあたって気になるのは、どのサイズでエンコードしておけばいいかという点。1024×768ドットという解像度や画質を考えると、720p(1280×720ドット)で動画を用意したくなってしまうが、視認した限りでは720×480ドットや640×360ドットでも、ドラマやニュースは十分に視聴に耐えうると感じた。

 アニメのようなコントラストが明確な動画の場合は、720pでないと残念な気分になりやすい。この辺りは、iPadの空き容量と相談しながら決めていくといいだろう。

640×360ドット(左上)、720×480ドット(上)、1280×720ドット(左)の一部分をキャプチャーしたもの。実写であれば720×480ドットでも十分

 ちなみに、手持ちのフルHD動画を送り込んで「Media Folders」でテストしてみたところ、問題なく再生できてしまった。おそらく、iPad側ではフルHDの動画を再生する性能を有しているが、iTunes側で制限を設けているのだろう。フルHDの動画をいちいちエンコードするのは面倒というなら、ファイルビューワーを利用するといい。

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