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400人がつながった――過去最大のWordCampが閉幕 (2/2)

2010年05月31日 14時00分更新

文●小橋川誠己/Web Professional編集部

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WordPressは「ナン」? 開発者、ユーザーが発表

 キーセッションのあとはメインホールとサブホールの2つに分かれて、WordPressユーザーによる発表が続いた。

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大人気だった高山一登さんのセッション。自身のお子さんの成長日記をネタにWordPressのカスタマイズ方法を紹介


 立ち見が出るほどの盛況ぶりだった「デザイナーのための適当プログラミングから始める WordPress 高速マッシュアップ術」では、キャンプフォーの高山一登さんが、PHP初心者でも簡単にできるWordPressのカスタマイズ方法を紹介した。「プラグインを組み合わせるだけでオリジナルのCMSにマッシュアップできる。プログラマーではないデザイナーにとって、WordPressは楽しい開発環境」と話す高山さんは、WordPressと外部サービスを組み合わせて、子どもの成長を記録するフォトログサイトの作り方を説明した。


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ロフトワークの諏訪光洋社長

 「WordPress+BuddyPress+Amazon EC2=loftwork.com 7.0」では、ロフトワークの諏訪光洋社長が、WordPressを利用してリニューアル中のloftwork.comの取り組みを紹介した。loftwork.comはロフトワークが10年前から運営するクリエイター向けのポータルサイトで、1万5000人の登録クリエイターが自身の作品を公開するポートフォリオとして利用している。

 今夏に予定される6回目のリニューアルでは、多言語展開、安定した運用、外部連携を目的に、WordPressとBuddyPress(WordPressベースのSNS構築ツール)、Amazon EC2を採用した。WordPressを採用したのは、「今後、API公開やユーザーにテーマをカスタマイズしてもらうことを考えると、オープンで外部連携がしやすく、盛り上がっているものがいいと考えた」から。「いままではリニューアルが終わったら完成だったが、新しいloftwork.comでは継続的・定期的に機能を追加していきたい」

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開発が進められている第7世代のloftwork.com。Amazon EC2をプラットフォームに、WordPressとBuddyPressをCMSとして採用。WordPress/BuddyPress本体には手を入れず、不足している機能はプラグインで実装、一部はスクラッチ開発した外部プログラムとAPIで連携する計画だ



 「Movable Type ユーザーが WordPress を初体験」では、ブロガーの永田ゆにこさんが、自身のブログをMovable TypeからWordPressへ移行した経験を紹介した。「百式の田口(元)さんなど、有名なブロガーが相次いで移行したことがWordPressに触れたきっかけ」と話す永田さんは、「インストールも簡単で、使い方もわかりやすい。テンプレートやプラグインも豊富。プレビューが便利」など、ブロガー視点でのWordPressの魅力を語った。

Movable TypeからWordPressに移行した感想を語った永田ゆにこさん。「たとえるなら、MTは『ごはん』、WPは『ナン』だと思っていた」と発言し会場の笑いを誘った。「ごはん」は何とでも合うけど、「ナン」はカレーとしか合わない。WordPressのサイトは見た目が同じように見えて用途が限られている印象、との意味だとか。「使ってみたら『パン』に変わった」


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盛況だったサブホールの様子。会場は情報系の大学ということもあり、キャンパス内は無線LANが完備。座席には電源コンセントも用意されていて、参加者から好評だった


 会場では時折、司会者が名刺交換を呼びかけたり、休憩時間を利用して参加者とスタッフがコミュニケーションをとる様子も見られ、「WordPressでつながろう」のイベントのテーマどおり、WordPressユーザー同士の交流も深まったようだ。企業が主催する大規模イベントとは違った、コミュニティイベント独特の雰囲気もまた、WordPressの魅力の1つなのかもしれない。

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