ネットとリアルの反応の違いと共通点
―― 逆に、ネットとリアルで反応が違うネタもあるんですか?
オノ 結局同じ人間ですから、ネタの内容に対する反応は似ていると思うんですよね。けど、反響という意味では全然違う動きもあります。たとえば、ネットの場合は他の大手サイトにリンクを貼ってもらうか否かが反響の大きさに強く影響を与えるじゃないですか。だからタイトルが興味を引きやすいとか、旬のキーワードが入っているとか、SEO的に拾ってもらいやすいネタの場合は、アクセス数が一気に上がるというのは感じます。先ほどお話ししたように、自分でイマイチと思うネタでもたまにすごいアクセスを受けることがありますからね。中でも、反響の度合いが例外的なのはエロ系のネタです(笑)。
―― では、今後の目標について教えてください。
オノ ブログは蓄積してなんぼ、継続してなんぼなので、今のペースで続けられるうちは続けていくというのが目標ですね。職場で異動になったり、プライベートでバランスが崩れて時間が取りづらくなると、一気に更新できなくなる気がするんですよ。
なんとか継続しつつ、記事にもっと深みを持たせていきたいというのもありますね。たとえば、書籍化もされている海外ニュースサイト「なんでも評点」さんの肉付けはすごいんですよ。単にニュースを翻訳して伝えるというものではなく、読み物として成立しているんです。あそこまでいければいいなと思っています。
―― ラジオのほうはどうでしょう?
オノ ボランティアという甘えもあるんですけど、本当にまだまだですね。人の話の聞き方、引き出し方というのが全然駄目なんですよ。ゲストを招いたりするときでも、質問の仕方ひとつで、聞き出せる答えの深度が変わってくるじゃないですか。それがまだ浅かったり、事前に情報を調べ切らなくて、引き出しが少なかったりすると感じることが多いんです。そこをより深めていければいいなと思います。そうすることで、人や物事の見方がいい意味で変わってくると、ブログのほうももっとしっかり肉付けした記事が書けるようになる気がしますしね。
―― やはりオノさんの中で、ブログとラジオはリンクしているんですね。しかし、それだけ精力的に活動できるのは何が原動力になっているんでしょうか。
オノ うーん。毎日ブログを更新していても、それほどアクセス数が上がるわけでもないくせに、ちょっと休むとスグ落ちていくんですよね。現状維持が精一杯で、それで収入を得られるわけでもないと。正直「何やってんだろうな」と思うことは結構あります。
それでも続けていけるのは、やっぱり人からの反応だと思います。ネットだとアクセス数が高くてもそれが受けているのかどうかが見えにくいんですが、ラジオだと面白いと思っていることを共有してくれる反応が結構返ってきたりするんですよ。あとは街で人に話したときでもそうですよね。それで「このニュースは面白いんだな」「じゃあ、こっちの路線をもっと拾ってみよう」と思い、扱うネタを変えていくと、ネットでもアクセス数などから反響の差がみえたりします。そういうことが嬉しくて、モチベーションになっているのかなと思いますね。
筆者紹介──古田雄介
元建設現場監督&元葬儀業者&現古銭マニア&毎週仕事で秋葉原と都内量販店に足繁く通う毎日を送る現デジタルライター。「古田雄介のブログ」では、皆さんのお勧めサイトを募集中です。また、ワクテカで掲載しきれなかった管理人さんたちの「もっと顔の見えるインターネット」コメントも随時掲載予定です。
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