Direct2D
DirectWriteが文字表示に関するAPIなのに対して、Direct2Dは2Dグラフィックを描画するためのAPIだ。こちらもDirectXをベースとしているため、GPUの機能が利用でき、解像度に依存しない2Dグラフィックがサポートされている。
マイクロソフトが開発者向け会議などで披露したデモでは、CPUを利用するGDIでは、星や歯車の図形を動かすのにカクカクしていたが、Direct2DではGPUの機能を使ってスムーズに図形を動かして見せた。さらにDirect2Dでは、GPU側で処理するため、CPU負荷が低くなる。
DirectWriteとDirect2Dを使っているアプリケーションは?
DirectWriteとDirect2Dともに新しく導入されたAPIだ。そのため、これらのAPIを使用するように作られたアプリケーションでないと、メリットは享受できない。
現時点では、Windows 7付属の「XPSビューアー」が、DirectWriteに対応している。さらに、2010年にリリースが予定されている開発ツール「Visual Studio 2010」が、DirectWriteとDirect2Dをサポートする。さらに次世代Office「Office 2010」も、DirectWriteとDirect2Dを一部の機能でサポートしているようだ。
また、2010年夏頃にリリースが予定されている「Silverlight 4.0」でも、DirectWriteやDirect2Dの機能がサポートされる。さらに次世代のウェブブラウザー「Internet Explorer 9」でも、両APIを使用することでブラウザーの画面表示を高速化しようとしている(関連記事)。
ウェブブラウザーでは、「Firefox 3.7」でDirectWriteとDirect2Dのサポートが検討されている。これらのAPIをサポートしたFirefoxの開発版も作成されている。ただし開発者によれば、「静的なウェブページを表示すると画面表示は高速化されるが、動的なページではそれほど表示が速くならない」といった問題があるようだ。DirectWriteやDirect2Dを使えば、画面表示が何十倍もスピードアップする、というわけでもなさそうだ。
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