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あなたの知らないWindows 第21回

Windowsの画面表示を変えるDirect2DとDirectWrite

2010年01月21日 12時00分更新

文● 山本雅史

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Windows 8ではGDIがDirectWriteと
Direct2Dに置き換わる?

 DirectX 10ではソフトウェアエミュレーションにより、DirectX 9ベースのGPUもDirectX 10対応GPUであるかのように利用できる(関連記事)。この機能によりWindows 7は、DirectX 9対応GPUを搭載するパソコンでも、同じUIやAPIが利用できる(ソフトウェアエミュレーションのため、パフォーマンスは落ちるようだ)。つまり、DirectX 10対応GPUでなくても、DirectX 9対応ならDirectWriteやDirect2Dをサポートしたアプリケーションが動作することになる。

DirectX 9対応GPUでも、一部の機能をソフトウェアエミュレーションすることで、DirectX 10対応として利用できる

 さらに、2009年10月末にVista用にリリースされた「プラットフォーム更新プログラム」(関連リンク)は、Vista環境で「WDDM1.1」をサポートし、Windows 7のいくつかの機能をVistaで実現している。DirectWriteやDirect2Dのほか、Office 2010で利用されるリボンUIを実現する新API、UIのアニメーションを管理する「Windows Animation Manager API」などが、このプラットフォーム更新プログラムでサポートされた。

 こうした流れを見ていると、マイクロソフトは将来的に、次世代OS(Windows 8)で、既存のGDIをDirectXベースのAPIで置き換えようとしているようだ。

 もしかするとWindows 8では、GDI/GDI+といったAPIは用意されるが、実態としてはDirectWriteやDirect2Dなどが動作するようになるかもしれない。このような状況になれば、Windows OSの画面表示全般は格段に高速化され、文字もより綺麗に表示されるようになるだろう。

 振り返ると、当初コード名「Longhorn」で呼ばれていた頃のVistaは、すべての画面表示にWPFを使い、GDI/GDI+はWPFを利用するブリッジAPIとして残るだけの予定だった。しかしVistaの開発は難航し、グラフィックス機能のドラスティックな移行はできなかった。その意味では、Vistaのリリースから数年かけたWindows 8で、ようやくLonghornのコンセプトが実現するのかもしれない。

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