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あなたの知らないWindows 第50回

次期IE「Internet Explorer 10」プレビュー版が公開

2011年04月14日 12時00分更新

文● 山本雅史

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公開されたIE10PP1の画面。IE10PP1はIE9のPP版と同様に、ユーザーインタフェースは最低限しかない。IE9/8/7などを置き換えずに共存できる

 マイクロソフトは12日(現地時間)、米国ラスベガスで開催されたウェブ開発者向け国際会議「MIX11」で、次期Internet Explorerこと「Internet Explorer 10」の開発者向けプレビュー版「Platform Preview 1」(以下IE10PP1)を発表した。

IE10PP1は「Internet Explorer Test Drive」からダウンロードできる。現在はWindows 7でしか動作しない

 大震災の影響で、日本ではInternet Explorer 9(IE9)さえもリリースされていないのに、「もうIE10か!?」と思う人も多いだろう。MIXというイベントは、ウェブ開発者に向けたカンファレンスである。そのためウェブデザイナーやウェブ開発者にとって最も影響が大きなInternet Explorerのアップデートは、MIXで発表するのが通例になっている。IE9も2010年のMIX10で、Platform Previewが公開された。IE10PP1の発表もこれにならったものだ。

 なおIE10PP1は今のところ、Windows 7でしか動作しない。最終的な正式版のサポートOSがどうなるかは不明だ。

IE10ではCSS3のサポートをさらに強化

 IE10PP1の改良点は、IE9でサポートされなかった「CSS3 Grid」や「Flexbox」、「CSS3 Multi-Column」、「ECMAScript 5 Strict Mode」などの機能が追加された点にある。

IE10PP1で表示した、IETestDriveの「CSS3 Gradients」のデモ

IE9はCSS3 Gradientsをサポートしていないので表示できない

 CSS3 GridやFlexboxは、ウェブブラウザーのウインドウサイズが変更された際に、レイアウトを自動的に変更してウェブデザイナーの意図どおりにページを表示する機能だ。例えば、ウェブブラウザーのウインドウサイズが小さくなっても、GridやFlexBoxでレイアウトされていれば、ボタンのサイズを小さくしたり、Gridで分割されたブロックの位置を変更して対応できる。

「SS3 FelxBox」のデモ。ウェブブラウザーのウインドウサイズを変更すると、テキストやボックスの大きさが自動的に変更される。変更前が左で、変更後が右

 またCSS3 Multi-Columnは、ウェブサイトの段組表示を変更する機能だ。例えばウィンドサイズが小さくなった際に、それに合わせて3段組表示を2段組に変えたり、段組は維持したまま1行の文字数を少なくしたりといった、動的な表示変更が可能だ。

 これらの機能を使えば、ウェブブラウザーの画面サイズが変わっても、縦横のスクロールを使って表示したり、ページ全体を縮小表示したりすることもなくなる。この機能を使って作成されたウェブサイトは、どんな表示サイズのウェブブラウザーでも、同じコードを使って対応できる。

 マイクロソフトがIE10でこのような機能追加を計画しているのは、HTML5に対応したサイトを作成しておけば、パソコンでもスマートフォンでも、すべて同じコードで対応できるようにするためだ。今までのように、デバイスの違いでウェブサイトを作り直す手間と時間をなくそうというわけだ。

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