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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第13回

プロがネット音楽で目指すのは「商店街の魚屋さん」

2010年01月09日 12時00分更新

文● 四本淑三

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路上から始めた「まだ見ぬ誰か」への発信

―― 学校を卒業してからは?

津久井 学校でやっていた事の延長として、音楽を作る小集団、今で言うサークルを組んでいたんです。クリエイターが二人いて。プロの方の仕事も徐々に始めながら、ボーカルさんを立ててネット上で発表するという活動を。

―― それはmuzieとか?

津久井 いえ、自分のサイトを立ち上げて。でもそんなに広がらないんで。路上ライブをやっていました、溝の口とか川崎の駅で。2003年くらいですね。今と違ってYouTubeもなかった時代なので。

そそそPも所属する音楽サークル「S-TRIBE」公式サイト http://www.s-tribe.net/

―― 今でもあの駅の通路でやっている人たちはいますけど、あんな感じで?

津久井 そう、まさにあんな感じです。バッテリー駆動のアンプを持っていって、CD-Rに焼いたものを手売りしたり。不特定多数に聴いてもらっても、多分いいと言ってくれる人はいるという自信はあった。だからネットに引き篭っているより、外に出ていかきゃダメだと。それで出した結論は、路上でやってみようと。

―― 比喩として「ネットは路上だ」という人は沢山いるけど、本当に路上でやってる人は珍しいですね。

津久井 僕に言わせてもらえれば「何年も前からやってるよ」という感じなんです。それで路上でやってもアマチュアぶらないと決めていたんです。嘘でもプロぶって。線を引いてお客さんと接しようと。

―― 「プロぶる」というのは、線を引くということ?

津久井 友達同士になっちゃダメなんです。音楽を評価しなくても来てくれちゃうから。それはネット上の活動でも同じなんじゃないかと思ってます。

―― ネット上で距離感を保つための手法は?

津久井 本名を名乗っていることじゃないですか。そのせいか、他の方はコラボしましょうという流れが自然にできるんですけど、そこも線を引かれちゃってる。プロなんだけど、音楽でお金を稼いだりしているけど、皆と同じだから。

―― そこは逆に線を引かないでくださいと。コラボと言えば「金星ミク」※1応援ソングを上げてましたよね?

「金星探査機『あかつき』に初音ミク絵を搭載する署名プロジェクト」公式サイト

津久井 これで打ち上げが楽しみになったり、金星について興味を持ってもらえるかも知れない。結果的にそうなれば、ということですが、その可能性を否定することはないと思いました。ただ、最終的に金星に落下して、最終的に塵になるだけらしいんですけど。

―― でも、万が一、そこに金星人がいたら!?

津久井 それはもういいリアクションがもらえると思いますよ、金星人から。

※1 金星ミク : JAXAは金星探査機に載せるメッセージを2010年1月10日まで公募。集まったメッセージはアルミプレートに印刷されて探査機と共に金星周回軌道上に送られる。そのアルミプレートを1枚借り切って初音ミクの絵を載せようというプロジェクトのこと。詳細は宇宙研究航空開発機構による金星探査機「あかつき」メッセージキャンペーン金星探査機「あかつき」に初音ミク絵を搭載するプロジェクト

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