※この記事は「現場でプロが培ったGoogle Analyticsの使い方」の第10回です。過去の記事も合わせてご覧ください。
Google Analyticsで解析できる3つWebトラフィックのうち、ノーリファラーと検索エンジンについての説明が済みました。今回からは、3回にわたって参照トラフィックを取り上げ、参照サイト経由のアクセスの増減に気づき、新規ユーザーを獲得したり、Webサイトがユーザーにどう利用されているのか分析したりする方法を紹介します。
「参照サイトって、要するに掲示板やブログにリンクが貼られて、ユーザーがそのリンクをたどって訪れることですよね? 他社サイトでどう紹介されるかコントロールできないのに、アクセスを解析する意味があるんでしょうか?」――確かに他社のサイトでどう書かれるかはコントロールできません。CGM(Consumer Generated Media)型のサイトであっても、あからさまな自社サイトへの誘導は、「自作自演」として嫌われます。
しかし、参照サイトから訪れる「紹介客」は、自社サイトだけではリーチできていなかった潜在ユーザーに、Webサイトの存在をアピールする絶好のチャンスです。であれば、参照トラフィックが増えるのはよいことですし、どうすれば増えるのかアクセス解析を通じて考えることは、Webサイトの運営に欠かせません。
「Google Analyticsのメニューには、『参照サイト』と『全ての参照元』というよく似た名前のレポートがありますが、どちらを使えばいいのでしょうか?」――Webアクセスでいう「参照元」とは、Webブラウザーでリンクをクリックしたときのページです。Webブラウザーは参照元のURLをHTTPのrefererヘッダーに付けてリンク先のコンテンツをWebサーバーに要求します。
たとえば、Googleで「Web Professional」と検索したとき、WebブラウザーのURLは「http://www.google.co.jp/search?q=Web+Professional」(URLの一部省略)になります。
ユーザーが最初に表示されている「ASCII.jp – Web Professional(ウェブ・プロフェッショナル)」のリンクをクリックすると、Webブラウザーは以下のようなHTTP要求をASCII.jpのWebサーバーに送信します。
WebブラウザーからWebサーバーへの要求(一部省略)
検索トラフィックのセッション数は、RefererにGoogleやYahoo!など、検索エンジンとして登録されたドメインからのアクセスを集計しているわけです。
一方、ASCII.jpのトップページからグローバルメニューの「Web Professional」をクリックしたとき、Webブラウザーは以下のようなHTTP要求をASCII.jpのWebサーバーに送信します。
WebブラウザーからWebサーバーへの要求(一部省略)
Googleのリンクをクリックすると、RefererにはGoogleでユーザーがリンクをクリックした「http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=Web+Professional」が記載され、ASCII.jpのトップページをクリックしたときは、Refererには「http://ascii.jp/」が記載されます。
「そうすると、サイト内のリンクをクリックした場合も参照トラフィックになるのでしょうか?」――トラフィックにはノーリファラー、参照サイト、検索エンジンがありますが、リファラーの有無だけでトラフィックが決まるわけではありません。あくまでも、Webサイトを訪れた最初のページを要求するとき、リファラーがなければノーリファラートラフィック、リファラーが検索エンジンの検索結果の形式であれば検索エンジントラフィック、そうでなければ参照トラフィック、という分類です。
リファラーの内容 | Google Analyticsでのレポート名 | |
---|---|---|
リファラーなし | ノーリファラー | |
リファラーあり | 全ての参照元 | |
検索エンジンの検索結果の形式 | 検索エンジン | |
検索エンジン以外 | 参照サイト |