9月8日、ようやくインテルのCPU「Lynnfield」が「Core i7/i5」としてリリースされ(関連記事)、対応チップセットであるIntel P55 Expressを搭載したマザーボードも大量に登場した。
もっとも、現在発売されているP55搭載マザーボードは、いずれもデュアルコアCPU「Clarkdale」で利用される「Flexible Display Interface」に対応していないので、2010年にClarkdaleが出てきても内蔵GPUが使えない。そのあたりをどうするのか、ちょっと見ものである。
Core i7/i5を踏まえて、インテルのデスクトップ向けCPUのロードマップを少しアップデートしたいと思う。
300mm2近いダイサイズのLynnfield
2008年11月に、初のNehalemコアがCore i7 ExtremeとCore i7のブランドでリリースされた(関連記事)。この最初のシリーズ(C-Stepping)は、2009年6月にリリースされたD-SteppingのNehalemですべて置き換えられる事になった。機能面では両者に違いはなく、ユーザーから見ての違いは「若干消費電力が下がった」という程度になる。また動作周波数も若干向上することになった。そして9月に、NehalemをベースにしたLynnfieldコアが、Core i7とCore i5のブランドにまたがる形で登場した。
さてそのLynnfieldだが、筆者はてっきりNehalemコアそのものだと思っていたのだが、実際には別のコアとなっている。具体的にはQPIインターフェースを削減し、代わりにDMIを追加したほか、PCI ExpressのRoot Complex(PCI Expressリンクがつながる大本)の機能を搭載している。このRoot Complexは、サイズがほとんどCPUのダイひとつ分以上あるという代物で、その結果、Lynnfieldのダイサイズは300mm2にやや下回る程度まで肥大化した。
内蔵メモリーコントローラーは、Nehalemの3チャンネルから2チャンネルに削減されたが、ダイ写真を見る限り、物理的に削減したというよりは1チャンネル分を無効化しただけで、実際には3チャンネルが残っているようにも見受けられる。動作周波数はNehalemベースのCore i7よりもやや低めに抑えられており、その分TDPも95Wに下げられた。またパッケージも新しいLGA1156に変更されている。さて、ここからが今後の話である。
6コアのCore i9は2010年4~5月登場?
まもなくCore i7 Extreme 965(3.20GHz)はラインナップから消えて、代わりとしてD-SteppingのNehalemに3.20GHzが追加される模様だ(Core i7-960、Extremeではない)。「Extreme製品が複数あっても仕方がないから」という事なのだろう。そもそも、このCore i7 Extremeというラインナップそのものが、まもなく「Core i9」で代替されることになる。
Core i9は32nmプロセスで製造される、ネイティブ6コアCPU「Gulftown」をベースとした製品だ。動作周波数はまだはっきりしないが、3GHz前後になると見込まれている。ただし、32nmプロセスの素性如何では、もう少し動作周波数が下がる可能性もあるだろう(逆に上がる可能性はそれほどなさそうだ)。
Core i9の登場時期は、当初2010年第1四半期と言われていたが、ここにきて同年第2四半期という話が有力で、2010年4~5月あたりになりそうだ。このCore i9の登場にともない、Core i7 Extremeがフェードアウトすることになる。製品としても、現行のCore i7 975が最終製品となり、おそらく1四半期程度オーバーラップさせつつ2010年7月あたりには消えることになるだろう。
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