今回からはインテル CPUについてのロードマップをアップデートしていく。以前に解説したのは2009年9月の19回だから、ほぼ1年半ぶりとなる。まずはデスクトップ向け製品について、Nehalem世代のアップデートから始めよう。
Nehalemアーキテクチャーは
2008年末のBloomfieldで登場
まず2008年11月に、Nehalemアーキテクチャー初の製品として、コード名「Bloomfield」こと「Core i7-965 Extreme(XE)」と「Core i7-940、920」がリリースされる。この3製品は基本的にXeonと共通で、3本のDDR3メモリーチャンネルを持つという、デスクトップ向けとしてはやや重厚な構成だった。
これに引き続いて2009年9月には、内部を若干改良して消費電力をやや引き下げた「D0 Stepping」の製品が、「Core i7-975XE」および「Core i7-950、920」としてリリースされた。翌月には「Core i7-960」が追加。2010年2月にも「Core i7-930」が追加される一方で、Core i7-940や「C0 Stepping」のCore i7-920は生産終了(発売は続いた)という扱いになった。
2009年後半にはこれらと並行して、「Lynnfield」コアのCore i7および「Core i5」シリーズが、2009年9月にリリースされた。こちらはNehalemをベースにしつつもチップ間インターフェース「QPI」を削除。メモリーコントローラーも1チャンネル削除して、その代わりにPCI ExpressとCPU~チップセット間インターフェース「DMI」を追加したという製品だ。
8MBという大きな2次キャッシュを搭載したこともあり、ダイサイズは296mm2に達しており、Bloomfieldよりもむしろ大きくなっている。それにも関わらず、価格的にはBloomfieldよりもやや安く設定されるという、インテルにとって「ビジネス的にはどうなんだろう?」という製品となった。ちなみにLynnfieldコアのCore i7とi5の違いは、動作周波数以外ではハイパースレッディングの有効/無効のみである。
製品としては、まず2009年9月に「Core i7-870、860」と「Core i5-750」がリリースされて、次いで2010年1月に省電力品(TDP 82W)の「Core i7-860Sと「Core i5-750S」が追加された。
2010年3月には、「Core i7-880」と倍率ロックを外した「Core i7-875K」がリリースされる。この「K」という製品、当初は「中国など新興市場向け専用」という話もあったのだが、最終的には全世界にリリースされている。
一応建前としては、「オーバークロックなどを楽しむユーザー向け」ということになっており、事実そうしたユーザーに使われた。こうした製品が登場した背景には、AMDがPhenom IIで「Black Edition」という、倍率フリーモデルをハイエンド製品に据えていたことがある。しかも、そのハイエンド品が300ドル未満という、インテル製品ではメインストリームのやや下あたりに位置する価格帯で販売されていたため、これへの対抗策として同価格帯の製品を出さねばならなかったためである。
また2010年7月には「Core i7-870S」と「Core i5-760」も追加されており、これがLynnfieldベースの最後の製品となった。
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