彩色#5 顔~仕上げ編
最後は顔からの総仕上げ、まずは瞳から。黒目は髪の色を参考に、少し色を変えて描いていくと色味にバリエーションが出て良い。
白目を描くときは肌全体を覆う形で「下敷き」となるレイヤーを作り、単色で塗りつぶしておくといい。白目にも影を描くと立体感が出る。一度鉛筆でサッと描いてから消しゴムでボカシをかけ、自然な影を作っていく。
瞳の輪郭は肌の色を極力濃くしたもので塗る。そこからやや明るめの色を選択し、目尻にあたる部分をブラシ濃度を低めにした鉛筆でなぞるとやわらかめの印象になる。目の上にある「しわ」の部分は、その色をさらに明るくしたもので塗る。輪郭を塗るときは肌のときと同様に「下のレイヤーでクリッピング」を選択して塗っていこう。
眉の輪郭は髪の色を極力濃くしたもので塗る。ここで眉のレイヤーを複製し、髪を描いたレイヤーの「上」と「下」に2つの眉レイヤーを配置しておく。これが後の作業に生きてくるのだ。
今度はキャラクターの命、瞳の描き込み。ここは本当に千差万別なので、あくまで「網野さん流」の方法ということを覚えておいてほしい。まずは光彩。色は瞳のベースカラーに合わせて明るいものを選択。筆圧の「サイズ」にチェックをいれて、下に円弧が来る三日月型の光彩を描く。ここは巧い形が描けるまで何度でも描きなおそう。
つづいては目の中央に入れるドット。光彩とドットの2つで、キャラクターがどこを向いているのかが分かるようになるのでここに注力。描き終えたら光彩を選択して、合成モードを「スクリーン」に設定したレイヤーを作り、ブラシ濃度を40程度に下げた鉛筆で光彩に明るさを加える。
瞳の最後の要素はハイライト。光源の方向(この場合は左上)に大きなハイライトを作り、これを消しゴムでボカしていく。球体を意識し、右下にもう1つ小さなハイライトを打てばベースは出来上がり。あとは光彩に指定した色でハイライトにフチどりをしてなじませれば完成だ。
瞳に続いては頬の赤み。ブラシ濃度を下げ、サイズを60pt程度に設定して、頬に引いた線の上にかぶせるように塗っていく。頬に8pt程度の鉛筆でハイライトを乗せ、やはり消しゴムでボカして出来上がり。
口紅を塗るように頬と同じ色で赤みを乗せ、消しゴムでごくごく薄く調整する。ボカシを加えないと、本当に口紅のようにキツい印象になってしまうので注意。
ラストスパート、髪の上に乗った眉のレイヤーを不透明度55%まで下げる。これで髪の上に透過しているような印象になるのだ。最後に全体を左右反転させ、顔や身体全体のバランスをチェック。瞳のバランスなどを整えれば完成っ!
というわけで、出来上がったイラストがこれ。とくとご覧あれ!
ちなみに無理を言って背景までお願いしたみたのが下記の左図。右はいわずもがな、編集長の「ムチャ振りラフ画」。ちなみにSAIからPSD形式に変換したデータをZIP圧縮したファイルがこちらからダウンロードできるので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。網野さん、本当にありがとうございました!
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