プロ並みの実力を誇るイラストレーターたちが、ペイントソフトを使った美少女CGの描き方をイチから教えてくれる。そんなありがたい講座を無料で受けられると、ファンの間で人気を集めているのが「ニコニコ動画講座」だ。
そこで人気のある「神職人」あるいは「神絵師」などと呼ばれるイラストレーターが投稿している動画には「プロの犯行」とタグが付いている。その実際に描いている現場、すなわち「犯行現場」を取材検証しようというのがこの連載だ。
前回の網野コハクさんに続いて、現場検証をお願いしたのはioriさん。ネットで人気の同人ゲーム「東方Project」シリーズのキャラクターをモチーフにした「Painterでニコニコお絵かき 東方編 - 咲夜」や「SAIでニコニコお絵かき 翠星石編」などを投稿する「職人」だ。
さっそく取材に行く前に、この企画にはもう1つのルールがある。「下絵」だ。
取材時に編集長の描いた下絵を渡し、それを描いてもらうという無謀なルール。前回はロシア構成主義芸術のような1枚(右)を残していった編集長のことだ、次にどんなものが描かれてもおかしくない。
ともあれ今回の取材についてメールを打ち、仕事をしていたところ、受信トレイに編集長からの返信が。
「ごめん、夏カゼひいたからキミが描いて」
メールを閉じ、しばらくその意味を考えてみる。開明墨汁と面相筆、そして半紙を手に会議室に行き、ばたりとドアを閉める。椅子を引き、紙を前にふたたび考えてみる。
これは困ったことになったぞ。
思いきり悩み、何枚もの半紙を捨てるという反エコ活動に邁進しながら、編集長の絵を超えるものを描こうとしてみた。その結果、書きあげたのが、これだ。
いや、違うんだって。髪から動物の耳が生えるって不条理な発想自体がどこかサイバーパンクでいいじゃないか。ほら、ギブスンの「あいどる」みたいなものじゃないか。制服(夏服)だって記号と考えればまさに現代芸術じゃないか。
……ともかくこの1枚をひっさげて、一路ioriさんに逢いに行くことに。ご挨拶も早々に、紙を無理やり押しつけてみた。ひきつり笑いをしながらも、なんとか快諾いただけたらしい。ioriさんの懐の広さに感激しながら、さっそく取材を開始していこう。
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