いよいよ10ギガビットEthernet(10GbE)導入の機運が高まってきた。しかし、Ethernetは規格がいろいろ存在しており、インターフェイスやケーブルの種類も時代とともに変遷してきた。そこで、今回はスイッチやケーブルにとどまらず、光トランシーバまで幅広く手がける日立電線にギガの光ファイバを収容するための光トランシーバについて聞いてみた。
数多くの10GbE規格を知っていますか?
10GbEとは、名前の通り、1Gbpsの10倍の帯域を持つEthernet規格の総称を指し、IEEE802.3委員会によって2002年から次々と規格化されている。従来のEthernetのコア技術であるCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)の半二重通信と決別しつつ、SONET/SDHという通信事業者のメトロネットワーク規格と互換性を持たせたのが大きな特徴となっている。では、10GbEの規格はいくつあるか、ご存じだろうか?
10GbEのIEEE規格は10GBASE~という名称になるが、2002年6月に標準化された10GBASE-SR/LR/ER/LX4(LAN PHY系)、10GBASE-SW/LW/EW(WAN PHY系)のほか、2004年に標準化された銅線規格である10GBASE-CX4、同じく2006年に標準化された銅線規格10GBASE-T、マルチモード光ファイバ向けの10GBASE-LRM、など、標準化されたものだけでも優に10種類を越える。その他、サーバやストレージのバックプレーンとしてEthernetを利用する10GBASE-KX4やKR、光ファイバのコネクタを使いつつ銅線で伝送する10GBASE-CR4などの技術もある。既存のLANというフィールドを越え、データセンターやメトロネットワークなど幅広い用途に用いられるEthernetへの期待の高さが現れたものかもしれない。
さて、これらのうち今回焦点を当てるのは、電気信号と光信号を相互変換し、送受信するための光トランシーバである。幸いなことに最近ではSFP+(Small Form-factor Pluggable+)という形状に統一されつつあるが、ここまでに至るまではいろいろな経緯があった。
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