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Excelで極める「1枚企画書」 第1回

“絶対Excel派”の「1枚企画書」

2009年07月01日 09時00分更新

文● 竹島愼一郎

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ビジネス極意シリーズ エクセルで極める1枚企画書

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http://ascii.asciimw.jp/pb/ant/biz-gokui/ex1/

読み手を瞬時に魅了する
「セルデザイン」の世界へようこそ!

本連載では、竹島愼一郎氏が提唱するインパクト抜群の「1枚企画書」をExcelで作る手順を2回に渡って紹介します。Excelは表計算やグラフに使えるだけではありません。使い方によってはPowerPointよりも手軽に、読みやすくて印象に残るプレゼン資料を作ることもできるのです。


初回は、Excelで作る「1枚企画書」の意義を解説するとともに、考え方の基本を紹介します。


※本記事は6月26日発売の最新刊「ビジネス極意シリーズ エクセルで極める1枚企画書」から一部抜粋し、編集・再構成したものです。


 これまで「ビジネス極意シリーズ」でPowerPointによる「1枚企画書」と「5枚プレゼン」の作成法(関連記事)を取り上げてきましたが、私の“奥の手”は実はほかにあります。それが本書のExcel「1枚企画書」です。


1 企画書=「ユニット工法」建築

 Excelで作られた文書を最近よく見かけます。しかしどれを見ても感じることは、インパクトの決定的な欠如です。要するに、単に罫線で枠取りをして読みやすくしたものにすぎないということです。

 図1は本書が提案するExcel「1枚企画書」ですが、見た瞬間、訴えかける力を感じるかと思います。その秘密は、「項目番号」「項目タイトル」「箇条書き」、それに「グラフ」や「イラスト」等で構成されるユニットをいくつも組み合わせて成り立つ建築のユニット工法的な作成法にあります(図2)。

Excel「1枚企画書」のサンプル

図1 Excel「1枚企画書」のサンプル

Excel「1枚企画書」を構成するユニット

図2 Excel「1枚企画書」を構成するユニット

 この“工法”によって「読む」から「見てすぐ理解できる」構図の整った企画書へと変貌させることができるのです。


2 企画書=完成された美しい建築物

 企画書というのはロジックの積み上げによってでき上がります。しかし初心者が陥りやすいのは、論理の道筋をそのまま示したり、賢い企画を自慢したいかのように難解なものに仕上げてしまうということです。

図3、4 ル・コルビュジエの建築物――シンプルで分かりやすく完成された作品

 それに対して良い企画書とは、たとえるならシンプルでわかりやすい完成された建築物です。図3、図4は20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエが先鞭をつけたピロティ(1階部分の吹き抜け)のある建築物(パリ近郊・サヴォア邸)ですが、図5はそれを模したかのように各要素がきれいに整備されています。

Excel「1枚企画書」のサンプル

図5 要素を整備したExcel「1枚企画書」のサンプル

 こうした企画の構造を階層ごとに整然ときれいに見せることができるのもExcelの得意な分野です。


3 企画書=未来の見える建築物の図面

 3つ目のメタファーは、建築物の図面です。クライアント(依頼主)に図面を提案するケースで説明すると、そこで何を見てほしいかというと、各部屋の見取り図ではありません。それは、そこで近い将来繰り広げられるであろう幸福なファミリーライフといったもののはずです。

 企画書も同じです。あまりよくない現状がその企画によって改善されたり、これまでにない商品によって利便性が向上したり、社会の仕組みが好転したりといったハッピーなストーリーを見せることこそが重要です。Excel「1枚企画書」は、グラフやイラスト、写真などを駆使して、そうした未来像をありありと描くことを目指します。

 操作性についていうと、Excel「1枚企画書」の一番の特長はQuarkXPressやAdobe InDesignといったプロのレイアウトソフトのような使い勝手の良さにあります。これがIllustratorに代表されるドロー系ソフトを目指したPowerPointとの大きな違いです。本書はそうしたレイアウトのパワーツールとしてのExcelの可能性をとことん追究しました。

 「企画書デザイン」に関して言うと、書籍版のケーススタディ編では、すべて異なる100個のデザイン事例を掲載しました。とりわけカラーとフォルムは、面と面との微妙な配色が全体の象徴性に密接に関係する教会のステンドグラスにも比せられる重要なファクターですが、近々にプレゼンが迫った人はもちろん、初心者の人も、そのまま生きたサンプルとして参考にしていただけます。

 本記事でExcel「1枚企画書」に興味を持たれた方は、ぜひ書籍版を手に取ってご覧になってみてください。

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