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【CEATEC JAPAN 2006レポート Vol.8】NTTドコモ、小型燃料電池や音でURLを伝える技術など

2006年10月03日 18時18分更新

文● 編集部 小林 久

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(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)のブースには、すでにお伝えしたデジタルラジオの試作機のほかにも、燃料電池や3D表示ディスプレーなど、同社の研究開発部門が取り組んでいる次世代技術の展示がいくつか行なわれていた。

NTTドコモに展示されていた、燃料電池の試作機。昨年展示したものに比べて、1/3サイズに小型化しているという


燃料電池はより小型に、充電にも対応

燃料電池の展示は昨年のCEATECでも行なわれていたが、今年はさらに小型化した。サイズは幅24×奥行き24×高さ70mmで、重量は45g。水と水素発生材を燃料としており、2Wの出力と10Whの容量が得られる(3回の充電に対応)。これは、アクアフェアリー(株)と共同で開発したもの。アクアフェアリーの水素発生カートリッジと薄型発電セルが用いられている。

実用化の時期に関しては、法制度の問題もあり、微妙な面もあるが、NTTドコモの説明員の話では、2年程度をめどに実用化していきたいという。

写真のように手の中にすっぽり入る


自然な立体表示が可能な3Dディスプレー

30度と広い視野角で立体像が見える3Dディスプレーは、これまで一般的だった左右の目に異なる角度(2方向)の画像を見せるステレオ方式とは異なり、30方向の画像を1枚の画像に合成してディスプレーに表示するというもの。東京農工大学と共同開発した。

ユーザーの目の位置をカメラで検出し、上下左右見る位置によって、異なる立体像を見せる。これによって、物体がディスプレー上に浮き上がったような独特な見え方がする。ディスプレーの表面には、レンチキュラーレンズを並べたフィルターがかぶせてあり、30方向の画像を1枚の画像に合成して表示する。

テレビ電話などに応用すれば、浮き上がる相手と話せる魅力的な端末ができそうだが、説明員によると「(元画像を作るために)最低でも8個のカメラを用意する必要があるので、当初は専用のスタジオで撮った映像を配信する用途などが主流になる」という。なお、静止画であれば、1台のカメラを回転させた動画から画像を作ることも可能だという。

3Dディスプレー。写真では写せないが、斜めから見ても、確かに立体的に見える
フィルターをかぶせているところ
3Dディスプレーの仕組み


CMの音声にURLなどのデータを載せる技術も

音響OFDMは、データを埋め込んだ音を配信し、それを携帯電話機で録音することで、情報を伝送する技術。CMの音声に、URLのデータなどを埋め込んでおけば、詳細情報が書かれたiモードサイトのURLなどを簡便な方法で提供できる。

音声データの6kHz以上の帯域をカットし、その部分にカットした音声波形に近い形に整形したOFDM変調信号を合成する。1秒間で100文字程度の情報を受け渡すことが可能。同じデータを繰り返し配信することで、音声の途中からの録音でも適切な情報が得られる仕組みとしている。これにより、音質は若干劣化するが、それほど気にならないレベル。騒音の多い展示会場でも問題なく、データの受け渡しができていた。2008年ごろの実用化を目指しているという。

スピーカーから再生される、CM映像の音声の中にURLの情報が含まれており(写真左)、これを録音するとURLが表示される(写真右)
音響OFDMの仕組み


ナップスターのトライアルチケットも

また、ブース内では、本日サービス開始が発表された、ナップスタージャパン(株)の定額音楽配信サービスのトライアルチケットも配られていた。音楽配信やワンセグ放送に対応した携帯電話機も多数展示されており、同社がコンテンツ配信の分野に力を入れていることもうかがわせた。

2週間無料のチケットを配布する、ドコモブースのコンパニオン
ブース内に展示されていた、ワンセグケータイの巨大なオブジェ
ずらりと並んだ、ドコモの携帯電話機

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