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【CEATEC JAPAN 2006レポート Vol.18】京セラ、焼き物でできた時計や、曲げられるサファイヤを展示

2006年10月05日 04時27分更新

文● 編集部 小林久

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宝飾品としても用いられ、ダイヤモンドやカーボランダムに次いで硬いとされるサファイア。京セラ(株)のブースでは、単結晶化した工業用のサファイアを薄さ60μmに削り、たわませたサンプル“曲がるサファイア”が展示されている。今回は薄く削る技術を実現したという部分がアピールポイントで、「用途はこれから考えていく」とのことだが。透明で強度が高い特徴を生かして、曲がるディスプレーなどさまざまな用途を考えていけそうだ。なお、サファイヤの元となる酸化アルミニウムの純粋な結晶は無色透明。宝石などでは、含まれる不純物のイオンの影響で色がついて見える。

曲がるサファイヤ。写真のように無色透明で、高い硬度ながら、曲面にたわませることもできる

最近では携帯電話機や無線技術の開発も積極的に行なっている京セラだが、もともとはセラミックスの会社である。セラミックスというと、白色無地という印象がある。しかし、ジルコニアやアルミナに特定の添加材を加えて焼くことで、色の付いたセラミックスを作ることも可能だ。京セラでは、これを“デコレイティブ・ファイン・セラミックス”と呼んでおり、現在17色が提供されているという。また、金属とセラミックスの複合素材をサーメットと呼ぶが、もともとは切削工具の刃の部分などに用いられていたものだが、最近は宝飾品にも利用されている。非常に硬く、金属に近い質感がある。ブース内では、ベルトと文字盤の枠部分にデコレイティブ・ファイン・セラミックスやサーメットを使った、ベルサーチ製の腕時計も展示されていた。

デコレイティブ・ファイン・セラミックス
ヴェルサーチがこれをこれを腕時計に応用したサンプル

素材としての特徴は、表面に傷が付きにくく、金属アレルギーがある人でも問題なく装着できる点だという。

このほか、京セラブースでは、60/77GHzという高周波数帯に対応したミリ波アンテナや、薄型化が可能で、強度も高い無線モジュール用のLTCC基板など、部品関係の展示、医療機器への応用も可能な解像度を持つサーマルヘッドなども展示されていた。77GHz帯の無線は、1Gbpsクラスのデータ転送が可能で、車間距離の検知などを行なう車載レーダーなどで実用化されているものだという。

ワンセグ対応のgigabeatにも利用されているLTCC基板
医療機器にも耐えうる画質(600~900dpi)を提供できるサーマルヘッド

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