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【IDF Japan 2005 Vol.3】「人々はもう体毛より多くのトランジスターを持ち歩いている」――基調講演に見るインテルのモバイル戦略

2005年04月08日 22時43分更新

文● 編集部 小西利明

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次世代のエンターテイメントノート“On-The-Go”のコンセプトと、必要となる技術要素
次世代のエンターテイメントノート“On-The-Go”のコンセプトと、必要となる技術要素

斬新な超薄型パソコンを披露したのに続いて、エデン氏はさらに次世代のモバイルノートのコンセプトについても語った。“On-The-Go”をキャッチフレーズにしたこのモバイルノートは3つのユーセージモデルを前提としており、エンターテイメントコンテンツをダウンロードして楽しむ“Download&Go”、他のパソコンに蓄積されたコンテンツと同期して楽しむ“Synch&Go”、外出先から自宅のパソコンに接続してコンテンツを楽しむ“Outside In”といった使い方を追求している。“On-The-Go PC”として披露されたデモマシンは、ワイド液晶ディスプレーを搭載した小型薄型の“タブレットPC”といった外観をしており、タッチスクリーンを備え、ビジュアルチャット用にカメラやマイクも内蔵しているという。使用シーンのイメージ映像では、自動車の車内に持ち込んで、車の天井から下がった設置用のパネルにOn-The-Go PCをはめ込んで、車載ディスプレーのように使うシーンが描かれていた。

デモで披露された薄型でキーボードレスのモバイルパソコン“On-The-Go PC”。実際に登場する際には、既存のモバイルノートやタブレットPCとの違いをどうアピールしていくのか興味深い

娯楽よりの話題が続いたが、エデン氏は次世代のノートパソコンによるデジタルオフィスについて、リモート管理技術“iAMT(インテル アクティブマネージメントテクノロジ)”を例にデモを交えて説明を行なった。米国サンタクララにあるインテルの社内ネットワークに東京のノートパソコンから接続するというシチュエーションで、ノートパソコンは社内ネットワークだけでなく、IT管理部門とも専用の接続を行なっている。東京のノートパソコンが電子メールを通じてワームに感染すると、iAMTに対応した管理ソフトがそれを検知して、感染を拡大させないように社内ネットワークから切断する。一方でIT管理部門との接続は維持されており、管理者はそのパソコンがワーム感染したことを把握できる。管理者は対象のノートパソコンに接続して、ワームを削除してシステムを回復させる。これで回復したシステムは再びネットワークに接続可能となる、というデモであった。これらはiAMTや仮想マシン技術といったNapa世代で予定されている新機能が、ビジネスシーンでも有用であることを示すものだ。

またエデン氏はモバイルの時代に重要な最後の要素としてワイヤレス技術を取り上げた。現状ではWi-Fi(IEEE 802.11)やBluetoothが主流で、これにUWB(Ultra Wide Band)、RFIDといった技術が加わろうとしているが、さらに同社が精力的に投資を行なっている広域高速ワイヤレス技術“WiMAX(IEEE 802.16)”も2007年以降には登場する。エデン氏は「これら複数のワイヤレスインフラは、互いに共存するとインテルは考えている」と述べ、エンジニアはユーザーが意識せずに複数のインフラや課金を切り替えて使えるように努力しなくてはならないと、ソフトウェア面での取り組み重視した意見を述べた。

ごく近距離のRF IDやBluetoothから、LANレベルのWi-Fi、都市内を結ぶWiMAX、そして第3世代携帯電話など、近い将来に複数のワイヤレス技術が共存する時代が来るとして、ユーザーが快適にこれらを使えるような努力が必要と述べた
ごく近距離のRFIDやBluetoothから、LANレベルのWi-Fi、都市内を結ぶWiMAX、そして第3世代携帯電話など、近い将来に複数のワイヤレス技術が共存する時代が来るとして、ユーザーが快適にこれらを使えるような努力が必要と述べた

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