このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

「車で言えばフルモデルチェンジだ!」――インテル、新生Xeonプロセッサーを発表!

2004年06月29日 23時51分更新

文● 編集部 小板謙次

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
新Xeon

インテル(株)は29日、都内のホテルで『インテル Xeon プロセッサ 3.60GHz/800MHzシステム・バス対応』『インテル Xeon プロセッサ 3.40GHz/800MHzシステム・バス対応』『インテル Xeon プロセッサ 3.20GHz/800MHzシステム・バス対応』『インテル Xeon プロセッサ 3GHz/800MHzシステム・バス対応』『インテル Xeon プロセッサ 2.80GHz/800MHzシステム・バス対応』といった新たなXeonプロセッサと、『インテル E7525チップセット』を発表した。1000個当たりの単価はインテル Xeon プロセッサ 3.60GHz/800MHzシステム・バス対応が9万4460円、インテル Xeon プロセッサ 3.40GHz/800MHzシステム・バス対応が7万6590円、インテル Xeon プロセッサ 3.20GHz/800MHzシステム・バス対応が5万500円、インテル Xeon プロセッサ 3GHz/800MHzシステム・バス対応が3万5070円、インテル Xeon プロセッサ 2.80GHz/800MHzシステム・バス対応が2万3190円、インテル E7525チップセットが1万1100円となっている。

同社エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部本部長の町田栄作氏はエンタープライズ分野を同社製CPUでトータルにカバーしていくという戦略を紹介しながら、「今回の“インテル エクステンデッド・メモリ 64テクノロジ(EM64T)”を搭載した新Xeonプロセッサーはウェブサーバー、メールサーバー、あるいはゲーム分野など幅広く投入していく。一方で基幹系のミッションクリティカルな分野はItnium 2がカバーしていく」と棲み分けを説明した。



新Xeonプロセッサーはウェブサーバー、メールサーバーなど広範囲をサポートするが基幹系のミッションクリティカルな分野はItnium 2がカバーしていく
新Xeonプロセッサーはウェブサーバー、メールサーバーなど広範囲をサポートするが基幹系のミッションクリティカルな分野はItnium 2がカバーしていく

続いてエンタープライズ&ネットワーク・ソリュージョンズ本部プラットフォーム&ソリューションズマーケティング統括部長の平野浩介氏は、今回の新製品を「Xeonファミリーにおけるプラットフォームレベルでの飛躍であり、車に置き換えるとフルモデルチェンジに当たる」として、従来のクロック性能アップやキャッシュ増などとは違い、総合的にプラットフォームの性能を向上させるものだと紹介した。

主な機能ポイントは

  • 拡張版Intel SpeedStepテクノロジー
  • インテル エクステンデッド・メモリ 64テクノロジ
  • ストリーミングSIMD拡張命令3(SSE3)
  • ハイパースレッディング・テクノロジー
  • 800MHzシステム・バス
  • DDR2メモリー
  • グラフィックスPCIx16

ということになる。

拡張版Intel SpeedStepテクノロジーとストリーミングSIMD拡張命令3(SSE3)はPrescottですでに搭載されているものだが、サーバー製品としては今回のXeonプロセッサーが初。またチップレベルでPCI Express対応が追加されたほか、システムバスも従来の533MHzから1.5倍の800MHzに、メモリもDDR2に対応し従来に比べて1.5倍の性能アップが図られている。“インテル エクステンデッド・メモリ 64テクノロジ(EM64T)”についての詳細な説明はされなかったが、これは64ビットコードを実行できるようになるメモリ拡張機能で、従来より大容量のメモリーにアクセスが可能になる。なお、EM64Tを利用したプラットフォームは、64ビットOSと64ビットアプリケーションをサポートし拡張メモリーを最大限に利用する“フル64ビットモード”のほか、32ビットOSと32/16ビットアプリケーションをサポートする“レガシーモード”、64ビットOSで32ビットアプリケーションを扱える“互換モード”の3種類の動作モードが用意されている。

PCI ExpressやDDR2サポートによるレイテンシーの削減など、トータルなプラットフォームの改善につなるとしている
PCI ExpressやDDR2サポートによるレイテンシーの削減など、トータルなプラットフォームの改善につなるとしている

また、サーバー製品でははじめて90nmのプロセスルールで製造されている。

なお、今回の記者会見で強調されたのがデマンド・ベース・スイッチング(DBS)だ。氏は「サーバー・ワークステーション系の製品は性能が上がるにつれて電力制御をしなければならなくなった。そこで新しくDBSといういテクノロジーを入れている。これは従来モバイルテクノロジーにあったSpeedStepのテクノロジーを応用したものだ」と説明。アイドル状態を検出しクロック・電圧も下げることによって低消費電力を実現しており、これによりシステムの消費電力を30~40%削減できると紹介した。また、DDR2を使用することでDDR1を使用時に比べ、30~40%の電力消費を節減できるので相乗効果で低消費電力を実現可能だとした。

デマンド・ベース・スイッチング(DBS)はSpeedStepのテクノロジーの応用版
デマンド・ベース・スイッチング(DBS)はSpeedStepのテクノロジーの応用版。システムの消費電力を30~40%削減できると紹介された。

インテル E7525チップセットはノースブリッジに当たるMCH、PCI Express x8またはPCI Express x4のビリッジコンポーネントの6700PXH、I/OコントローラーHUBである82801ER(ICH5R)または6300ESBで構成される。

会場ではオートデスク(株)によるレンダリングデモも実施された。比較に使われたのは『インテル Pentium 4プロセッサ 560』と『インテル Xeonプロセッサ 3.60GHz』。レンダリングに使われたアプリケーションは『discreet 3ds max 6』だが、約2倍のパフォーマンスの違いうが出た。同社シニアアプリケーションエンジニアの宋明信氏は「これまでデザイナーが作品を作るのに1~2週間レンダリングにかかっていたものが、4~5日に短縮できるだろう」と話した。

システムでのレンダリングパフォーマンス比較
『インテル Xeonプロセッサ 3.60GHz』(左)と『インテル Pentium 4プロセッサ 560』(右)を搭載したシステムでのレンダリングパフォーマンス比較

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン