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エンタープライズLinux導入事例─ツタヤ オンラインの場合

2002年12月29日 07時52分更新

文● 阿蘇直樹

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[編集部] 先ほどハードウェアの性能もそれほどよくなかったというお話がありましたが、現在はSPARCやx86だけでなく、たとえばメインフレームでもLinuxが動作しています。今回のデータベースでは、デルコンピュータのIAサーバを採用されることになった理由をお聞かせ下さい。
[兼安氏] まず、価格という面でいいますと、単純に大きいマシンよりも小さいマシンの方がコストパフォーマンスが高いですよね。CPUを64個積んで、高速のバスで接続して、というような高いアーキテクチャを使わない限りはリニアに性能が上がるわけではありません。だいたいCPU4つくらいで頭打ちになってしまいます。ですが、OracleのCPUライセンスの価格は一緒なんです。そう考えると、あまりいい投資ではないでしょう。実際、デルコンピュータさんでも実験をされていまして、Oracle9iを使用した場合、8CPUのマシンよりも4CPUのマシンの方がパフォーマンスが高いというデータがあります。一方、4CPUのマシンと2CPUのマシンを比べてみると、4CPUのマシンの方がバスは高速ですが、CPUクロックは2CPUのマシンの方が速いですし、4CPUのマシンは量産効果がないのでどうしても価格も高くなります。こういったことを考えると、量産されていて安いIAサーバをノードとして採用しようと考えたわけです。
[編集部] データベースの場合、今回のように想定していたユーザー数を越えてしまったときに、結局また新しいハードウェアを導入してシステムを構築する必要があると思います。そうすると、今おっしゃったように安いハードウェアを利用した場合、システムを頻繁に入れ替えなければならなくなってしまい、結局TCOはよけいにかかることにはならないのでしょうか。
[兼安氏] 大きいマシンを買って徐々にCPUを増やすなどスケールアップすることを考えた場合、たとえば今、3年後に買い換えることを想定してシステムを構築したとします。そうすると、3年後に利用できるCPUというのは、現在利用されているものに限られてしまうわけです。仮に“ムーアの法則”に従えば、3年後に出てくるインテルさんのCPUは多分ものすごく速くなっていますよね。一方、SPARCやメインフレームでは、そういうことはないわけです。Oracle9iを利用している場合、サーバをリプレースするにしても、移行コストはそれほど高くはなりません。確かにノードを増やしていくというやり方もできるのですが、1年後、2年後にそのときの最新のサーバを導入すれば、クロック周波数分は確実に速くなっているわけです。このCPUクロックが速くなる速度を、私たちのサービスを利用しているお客様の伸びが追い越さない限り、ほとんど無限のスケーラビリティが保証されているという感じでしょうか。IAサーバの導入コストはそれほど高くないですから。
[編集部] 今日はどうもありがとうございました。

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