日本オラクル(株)は14日、Linux関連事業を強化すると発表し、都内で記者発表会を開催した。
今回発表された同社のLinux事業戦略は、今年1月に発表された中期計画“Oracle Japan Innovation 2003”に基づくもの。同計画は、2006年度の売上高1000億円、営業利益率30%といった目標を掲げ、そのために事業構造の転換と製品およびサービス戦略の転換を行なうとしており、その中でLinuxでのリーダーシップを維持することが盛り込まれている。
記者発表会では同社のLinuxへの取り組みとして、“Unbreakable Linux”ソリューションの強化、技術者養成プログラムの拡充、新たなLinux対応製品の提供、Linux関連協議会の設置といった内容が発表された。“Unbreakable Linux”は、『Oracle9i Database』と『Oracle9i Real Application Clusters』を組み合わせ、24時間365日壊れない、侵入されないシステムを目指すという技術基盤。
“Unbreakable Linux”の取り組みを紹介するスライド。エンタープライズ市場をターゲットに、4つの方向からアプローチするというイメージだ |
具体的な発表内容は以下のとおり。
- “Unbreakable Linux”ソリューションの強化
- 6月1日より、同社のLinux対応製品について、『Red Hat Enterprise Linux』および『United Linux』を基盤として利用するために必要な、OSの不具合修正パッチを含むサポートを提供する
- “Unbreakable Linux”ソリューション営業体制の強化
- Linuxビジネスを専門的に推進する“Linuxビジネス推進室”を新設する。また、顧客コミュニケーションチャネル“Oracle Direct”や、パートナープログラム“Oracle Partner Network”を通じ、顧客やパートナーへのLinux導入支援を行なう
- 技術者の養成
- Linux上でのOracle製品技術者養成のため、“Oracle Master”資格に加え、トレーニングコース「LinuxでのOracle9iデータベース管理」、「Oracle9i Real Application Clusters on Linux」などを7月下旬より開講する
- ハードウェアベンダーによる推奨構成の提案
- ハードウェアベンダーを通じて、『Oracle9i Real Application Clusters』を利用したクラスタシステムの推奨構成を顧客に提示する
- Linux対応製品の拡充
- Itanium対応Linux版データベース『Oracle9i Database Release 2 for Linux Intel Itanium』を本日、ファイル構築/管理ソフト『Oracle Cluster File System』のLinux版を5月26日に発表する
- “Unbreakable Linuxパートナー協議会”の設立
- “Oracle partner Network”の一環として、ディストリビューション企業やハードウェアベンダー、SI企業などが参加し、“Unbreakable Linux”を推進する“Unbreakable Linuxパートナー協議会”を本日付けで設立する