コンパックコンピュータ(株)は、「GenBank」のような遺伝子情報DBから情報を自動的に取得するツール『BioCollector』を6月12日に発売した。
『BioCollector』は、対象DBの種類、更新頻度を指定することで、対象DBの置かれたftpサイトへ定期的にアクセスし、最新データをローカルに取得するというもの。データの相似性を検索するツールとして多く用いられている『BLAST』のためのインデックステーブルを作成する機能もある。
バイオインフォマティックス分野などでは、データのセキュリティやレスポンスの問題から一度データをローカルに取得した上で計算を行なうことが多いが、自動的にデータ更新を行なうことで、データ取得や管理の手間を省き、本来の研究により多くの時間を割くことが可能になる。また、オンラインでデータを更新するため、CDやDVDメディアでデータを入手する場合と比べて最新のデータをより早く入手することができるようになる。
コンパックコンピュータ(株)では、これまでにバイオインフォマティックス向け全文検索システム『BioSearcher』や、Webベースの相似性検索ツール用GUI『BioFinder』を販売しており、これらのツールとの連携も可能だという。
そのほかの『BioCollector』のおもな特徴は以下のとおり。
- DB取得中に接続が切断されても再取得することができる「レジューム機能」を搭載
- ftpセッション数を設定することで、高速なデータ取得を可能にする機能を搭載
動作環境は以下のとおり。
- 対応システム……AlphaServer/Tru64 UNIX 5.1a以上、Proliant/Red Hat Linux 7.2(マルチCPUを推奨)
- HDD……最低200GB以上(「GenBank」の場合)
- メモリ……1GB以上を推奨
そのほか、ftpサイトへアクセスするためのインターネット接続環境、『lftp version 2.4.8』が必要になる。データ取得対象DBは現在のところ以下のとおり。
- 核酸配列DB「GenBank」
- 核酸配列DB「EMBL」
- 核酸配列DB「DDBJ」
- アミノ酸配列DB「GenPept」
- アミノ酸配列DB「PIR」
- タンパク質立体構造DB「PDR」
製品の価格は98万円から。6月12日から発売されており、すでに来年4月の設立認可申請中である長浜バイオ大学と独立行政法人製品評価技術基盤機構への納入が予定されているという。
