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HDDビデオレコーダ研究

HDDビデオレコーダ研究

2001年05月28日 20時37分更新

文● 山之内正

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HDDビデオレコーダ研究

前回のD-VHSに続き、今回はHDDビデオレコーダに焦点を合わせる。デジタルレコーダとしてはタイムシフト再生や家庭用ビデオサーバを便利に利用するのはもちろん、将来は蓄積型サービスの利用など幅広い用途をカバーできるHDDビデオレコーダの現状を整理し、さらに今後の動向を探る。
※アスキーデジタルバイヤー2001年6月号より再掲。

家電に進出したPCの技術

 HDDへの動画と音声の記録は、最初にPCの付加機能として登場した。地上波チューナとMPEG1/2エンコーダを内蔵し、EPG機能と連動したエアチェック機能を積むAVパソコンはすでに数年前から登場しており、いまや多機能マシンの必須条件になりつつある。PCのテレビ録画機能の人気の秘密は、HDD記録ならではの使い勝手の良さにある。録画しながら同時に再生、一時停止、録画開始時点まで戻るなどの「タイムシフト再生」ができる上、録画済み番組の頭出しも瞬時に完了。ビデオテープを使わないので、テープの管理や保存に頭を悩ませる必要もない。1回見ればOKという用途でそれほど画質にこだわらないなら、(部屋にもう1台のTVやビデオデッキを置かなくとも)PCのテレビ機能だけで十分だと考えるユーザーは確実に増えつつある。

HDDビデオレコーダのメリットは、タイムシフト再生や電子番組表を利用した簡単な録画予約などである。

 これまでPCユーザーだけが楽しんできたHDDビデオレコーディングの使い勝手を、家庭用レコーダとして洗練させ、さらに画質にもこだわったのが、今回紹介するHDDビデオレコーダである。米国では「ReplayTV」などインターネットの電子番組表「EPG」と連動し、予約録画などが便利に行える低価格HDDビデオレコーダが日本に先行して発売されているが、国内市場には現行放送の録画再生に主眼を置いた製品が発売され、米国とは異なる市場を形成しつつある。

 現在ホームビデオ用途のHDDビデオレコーダは、ソニー、ビクター、シャープ、松下電器産業の4社が発売しているが、東芝が新製品をまもなく投入するほか、OEM供給を受けて製品を発売するメーカーもあり、参入メーカーは着実に増えている。おもしろいことに、現在各社が発売しているHDDビデオレコーダはすべて性格が異なり、同じような構成の製品はひとつもない。これまでステレオでもビデオでも同じような製品を市場に投入してきた日本の家電メーカーとしては異例のことだ。HDDビデオレコーダの中心的な用途をどう想定するかによって、機能や構成に違いが生じるわけだが、それにしてもそれぞれの製品が十分に個性的で、興味深い。HDDビデオレコーダの可能性の大きさと用途の幅広さを物語っている。

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