米レベルスリーコミュニケーションズ社は13日、インターネットインフラ提供で韓国と台湾の両国市場に参入すると発表した。日米間の太平洋海底ケーブルと両国を結び、大容量で安価な回線をISPなどネット事業者向けに提供するという。同社社長兼CEOのジム・クロウ(James Q.Crowe)氏は同日都内で会見し、「アジアは極めて重要な市場。情報通信産業の成長が見込まれる韓国と台湾に安価なインフラを提供したい」と述べた。
アジア市場での事業拡大を発表するクロウ氏 |
計画によると、韓国のソウルと台湾の台北にゲートウェイ施設を建設。ソウルと台北、ソウルと東京を海底ケーブルで結び、日米間の太平洋海底ケーブルと接続する。サービス提供は2001年後半に開始を予定している。
クロウ氏は「韓国はDSLなど広帯域アクセスの普及で世界的なリーダーであり、台湾は中国語コンテンツを米国へ発信するハブになる」と両国におけるインターネットサービスの成長性を強調した。
レベルスリーのゲートウェイ施設の内部 |
また同社は、日本と香港を結ぶ海底ケーブルの陸揚げ基地の建設予定地を千葉県内で取得したと発表した。日本-香港間を結ぶ海底ケーブルは2001年第2四半期に完成を予定。千葉県で陸揚げされた後、都内の国際ゲートウェイ施設に接続、日米ケーブルと相互接続される。
クロウ氏は「アジアではインターネット経済が急成長しているが、回線容量の不足とサービスコストの高さは深刻だ。レベルスリーのミッションはアジアのニーズに対し、安価で大容量な回線を提供すること」とアジア市場で積極的に事業を拡大していく方針を述べた。同社の今年の総投資額は約50億ドル(約5250億円)。将来はアジア市場での投資額、売上をともに総額の3割以上に上げたい考えだという。